昨年の映画年間興行収入は前年比約2割減となったが、大作の多いテレビ局映画の落ち込みが要因の1つ。フジテレビも、10年は興収50億円超えの大ヒットが『海猿』『踊る大捜査線』と2本あったが、11年は1本もなかった。
今年は再びこの2本が公開されることから、映画界の期待は大きい。特に『踊る大捜査線』は“THE FINAL”と銘打ち、15年の歴史に幕を引く完結編。同社の映画事業のトップで、1作目から『踊る』をプロデュースしてきたフジテレビの亀山千広・映画事業局長は「3作目を作る際に『3作目と4作目で一区切りをつけたいね』と(脚本の)君塚(良一)さんと本広(克行)監督とは話をしていました」と明かす。
「家族の話なら成長を描けますが、『踊る』は組織の話。現実の警察組織に大きな変化はないし、あの年齢であれば、本来なら(主役の)青島刑事は現場にいないよな、とかみんな同じ立ち位置でいるのはなかなか難しくなってきた。一度区切りをつける意味で“FINAL”とつけました」
他局の映画製作部が事業局やコンテンツ事業局に属するなか、フジだけが映画事業局として独立。自社制作率も高い。「局になって、来年が10年目の節目。当初もくろんでいた“フランチャイズムービー”“ある1つの方程式を持つ”“新しい作り手を何人か育てる”の3つが出来つつある」のだとか。
今年の映画戦略もこの3本の柱が軸になっている。「フランチャイズムービー」が『踊る』と『BRAVE HEARTS 海猿』。特に『踊る』は様々なスピンオフを生むなど、“フジ映画のショーケース”的存在だ。「方程式」とは連ドラの映画化。今年は『ライアーゲーム−再生−』があてはまるが、フジには独自のこだわりがあるという。連ドラ発だが、映画オリジナルとして続ける点だ。
「連ドラの映画化は一つの手法であり、今や特別のことではない。『踊る』も『海猿』もそうですが、(連ドラの後)映画で完結ではなく、映画で育つ作品を意識しています。『ライアーゲーム』は映画独自の打ち出しを考えた際、ベクトルを大きく変えて、ゲームの参加者たちの秋山(松田翔太)に対するリベンジという切り口に行きつきました」
「作り手」では、昨年『ステキな金縛り』が公開された三谷幸喜監督をはじめ、矢口史靖監督(『ロボジー』)、周防正行監督(タイトル未定)を擁する。『海猿』の羽住英一郎監督、『踊る』の本広克行監督もフジ発の作り手といえる。また、『アマルフィ』の西谷弘、『のだめカンタービレ』の武内英樹など、フジの社員監督も増えてきた。
武内は人気マンガの映画化『テルマエ・ロマエ』を監督する。「うちは(マンガ原作の)『のだめ』を実写化した強みがあります。奇想天外な物語を実写にするおかしさと、ある種の本気度を武内監督は自分の技にしています」。
| ロボジー 公開中 |
矢口史靖監督新作。家電メーカー社員3人は、その場しのぎでロボットに老人を入れ動かすことにするが…。 |
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だましあいのゲームを描く人気シリーズ。松田翔太以外のキャストを一新。新ヒロインは多部未華子。 |
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| BRAVE HEARTS 海猿 7月 |
伊藤英明ふんする海上保安庁の機動救難隊隊員が活躍する人気シリーズ4 作目。ジャンボ機海上着水を描く。 |
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| 周防正行監督 最新作(タイトル未定) 秋 |
生死を扱う医療現場を舞台にした大人のラブストーリー。草刈民代と役所広司が16 年ぶりに共演。 |
| ONE PIECE フィルムZ(仮) 12月 |
人気マンガのアニメ映画版最新作。09年公開『STRONG WORLD』と同じく、原作者が製作総指揮を務める。 |












