キヤノンが2012年3月上旬の発売を予定している「iVIS HF M52」は、ハイビジョンビデオカメラ「iVISシリーズ」2012年春モデルの最上位機種だ。最高画質を実現した2011年春モデルの「HF G10」は継続となっている。

 HF M52は有効約207万画素の1/3型「HD CMOS PROセンサー」を採用し、35mmフィルム換算で約43.6〜436mm相当の光学10倍ズームレンズを搭載する。32GBメモリーを内蔵し、本体サイズは幅68×高さ64×奥行き121mm、重さ約310gという軽量コンパクトモデルに仕上がっている。

HD CMOS PROセンサーを搭載し、Wi-Fi機能を内蔵する光学10倍ズームモデル「HF M52」(予想実勢価格8万5000円前後)。カラーはブラックとレッドの2色を用意する
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 ソニー「ハンディカムシリーズ」最上位モデル(HDR-PJ760V)がレンズからセンサーまでを一体化して手ブレを軽減する「空間光学手ブレ補正」や明るさを増したプロジェクターを搭載し、パナソニック「愛情サイズシリーズ」最上位モデルは高倍率ズームと5軸手ブレ補正を備えるなど、2012年春モデルではなかなか魅力的な機能や特徴を搭載してきた。

 それに対し、キヤノンiVISシリーズはセンサーのブラッシュアップを図った(※)とはいえ、基本性能としてはあまり目を見張る進化を遂げていない。

※iVIS HF M52が搭載する「HD CMOS PROセンサー」は、レンズからセンサー上のフォトダイオードに光を集める「マイクロレンズ」やカラーフィルターの透過率を改善したことで、感度が約20%アップ。最低撮影照度が従来モデル(HF M41)の1.5ルクスから1.2ルクスまで改善した。

 だが今回のモデルでは、iVISシリーズとして初めてWi-Fi機能を内蔵したのが大きな特徴となっている。家電ネットワーク規格「DLNA」(サーバー機能)に対応し、DLNA対応テレビからHF M52で撮影した動画を視聴できる。本体から直接LAN内のパソコンにアップロードすることも可能だ。

 2012年春モデルはフルHD記録のAVCHD規格に加えて、720p(1280×720ドット、秒間30フレームのプログレッシブ記録)のmp4映像記録に対応した。このモードで記録したmp4映像は、発売と同時に公開されるiPhone/iPadシリーズ向けアプリ「Movie Uploader」(無料)を使い、Wi-Fi経由でiPhone/iPadシリーズに映像を転送できる。

iPhone/iPadシリーズで利用できる無料アプリ「Movie Uploader」の画面(上はiPadシリーズの画面)
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 AVCHD形式で撮影するとiPhone/iPadシリーズには転送できないが、一般的なBDレコーダーなどに取り込むことができる。一方、MP4形式はBDレコーダーに取り込むことはできない(パナソニックの最新「ブルーレイDIGAシリーズ」ならMP4形式の取り込みに対応する)が、PCには取り込みやすい。

 MP4形式は解像度が1280×720ドットとAVCHD(1920×1080ドット)より低く、フレームレートも秒間30コマ(プログレッシブ記録)と少ない。1回につき30分までしか録画できないという制限もある。

 このようにAVCHD形式に比べていろいろと弱点はあるものの、iPhone/iPadシリーズユーザーにはなかなか使い勝手が良さそうだ。そこで今回はMP4形式で撮影した映像をiPhone/iPadシリーズで連携する使い方に特化してレビューしてみたい。