ソーシャルメディアを音楽プロモーションに活用する動きが広がっている。AKB48は昨年12月から「Google+」を活用したコミュニケーションプロジェクトを開始、安室奈美恵も同12月、Facebookで新曲「arigatou」を無料配信して話題になった。

 そんな中、Facebookで海外向けの楽曲紹介を試みているのがソニーミュージックグループの音楽出版社ソニー・ミュージックパブリッシング(SMP)だ。2011年7月にFacebookに英語のファンページを開設してアーティストや楽曲の紹介を続ける。女性キャラクターが登場して英語で音楽などを紹介するネットラジオ「Ton-Kotsu Radio」も隔週で配信しており、視聴者数は1回当たり約3000。ほとんどが海外からのアクセスだという。「いいね!」の数が2万を超えたSMPのファンページ。その狙いなどをSMP開発部 Music & Sound Division Oneの光岡健氏に聞いた。

――海外向けに楽曲情報をSNSで提供する試みは珍しい。

光岡健氏(以下、光岡):「国外に向けて自分たちが抱えている楽曲を紹介する手段がないかと考えた。英語版の公式ページがないアーティストは少なくない。海外の人が日本の音楽を知りたいと思ったときに、日本語を勉強していなくても見られるページがあると比較的探しやすいのではないかと思った。アーティストや楽曲などを英語で紹介しており、ビデオクリップが見られるものもある。アクセスはほとんどが海外からだ」

――海外からアクセスが多いのはどんなアーティストか?

ソニー・ミュージックパブリッシングの開発部、光岡健氏。「海外から日本の曲を探すときに、まとめサイトがあればいいと思った」という

光岡:「人気があるのはビジュアル系のバンド。アニメソングやボーカロイドソフトの『初音ミク』関連もアクセスが多い。いわゆる“クール・ジャパン”コンテンツだ。開設前は米国や欧州からのアクセスが多くなると思っていたが、インドネシアなど東南アジアや南米からの利用者が多いのは予想外だった」

――女性のキャラクターが英語で音楽を紹介する「Ton-Kotsu Radio」も特徴的だ。

光岡:  「アーティストや楽曲の情報を単に掲載するだけだと、更新頻度が落ちる可能性がある。日々更新できるコンテンツがないかと思って考えたのが『Ton-Kotsu Radio』だ。制作費を極力かけずに、自分たちがやりたいことができるものは何かを考えた」

 「Ton-Kotsu Radioでは、MiSo(ミソ)というキャラクターが英語で音楽を中心とした日本のカルチャーを紹介している。ビデオクリップの紹介を中心に、国内外のアニメやゲームのフェスティバルの取材を入れることもある。英語のテキストを入れると、そのまま話してくれるソフトに動画制作の技術を組み合わせて、架空の番組を作っている。隔週で更新しており、視聴数は1本当たり約3000だ」

MiSoというキャラクターが首を振りながら英語で紹介するネットラジオ「Ton-Kotsu Radio」