2011年、デジカメ業界にとっては苦しい1年だったといえる。躍進するスマートフォンの影響でコンパクトデジカメの販売が落ち込み、新製品は発売直後から価格下落が急速に進んで「売れども儲からない」という状況が続いた。3月に発生した東日本大震災では自粛ムードが広がり、おもに旅行や行楽で使われるデジカメは売り上げが激減。秋には、タイの大洪水で現地の工場が被災し、デジタル一眼の発売延期や品不足が生じた。
主要販売店での販売データを集計している調査会社BCNの道越一郎エグゼクティブアナリストに、2011年のデジカメ業界はどうだったのか、2012年は状況がどう変化すると見ているのかを聞いた。
コンパクトデジカメは価格下落が続くも、高価格帯モデルにヒット商品が登場
まず、レンズ一体型のコンパクトデジカメについて聞いた。道越氏は「2011年、販売台数はほとんどの月で前年割れが続いた。平均単価こそ若干持ち直したが、販売金額は前年と比べて大きく落ち込んでいる。価格の安さだけで消費者の購買意欲をつなぎとめる状況になっており、メーカーにとっては2010年以上に厳しかったといえる」と話す。


だが、道越氏は2011年に登場した富士フイルムの高性能モデル「FinePix X100」と「FUJIFILM X10」の2機種が人気を得たことに注目する。「2万円前後が主流のコンパクトデジカメにおいて、両機種ともかなり高価なのにもかかわらず、予想以上の売り上げを見せた。これらの機種は、家電的になった現在のデジカメにはない“持つ喜び”を訴求できたのが成功の要因だ」と分析した。「もはや、価格だけの消耗戦を続けても意味がない。このようなコンセプトの製品が各社から投入されれば、コンパクトデジカメ市場が話題性や元気を取り戻すだろう」と語る。











