最近は寒い話題が多いテレビメーカーの中で、ホットな注目を集めているのがソニーが2011年11月11日に発売するHMD(ヘッドマウントディスプレイ)「HMZ-T1」である。本機は頭にかぶるように装着して視聴するパーソナルな3Dモニターだ。HD解像度の有機ELパネルを両目に採用し、クロストーク(左右画面の干渉)のないピュアな3D映像が楽しめる。

 その3D映像の迫力は3Dテレビを超え、シアターに迫る異次元の映像を実現している。発売日を目前にしたメッセージを含め、シアター3Dを実現した秘密をソニー開発陣に聞いた。

ソニーが2011年11月11日に発売するHMD(ヘッドマウントディスプレイ)「HMZ-T1」。価格はオープンで、実勢価格は5万9800円前後だ
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大迫力の3Dを“世界初体感”してほしい

増田: いまだかつてHMD(ヘッドマウントディスプレイ)がここまで注目されたことはなかったと思えるほど、HMZ-T1への注目度は高いですね。発売前のデモの段階でかなり盛り上がっているようですが、CEATEC JAPANなどでのデモの様子はどうでしたか?体験者からはどんな感想が聞けましたか?

左からAV評論家の増田和夫氏、ソニー ホームエンタテインメント事業本部 第2事業部 設計2部 5課 統括課長の楢原立也氏、ソニー ホームエンタテインメント事業本部 企画戦略部門 商品企画部 HAV 企画3課 プロダクトマネジャーの森英樹氏
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森氏: 9月に実施したソニービルでのデモでは開店前で約100人待ち、10月のCEATECでは広いデモコーナーを作りましたが、それでも開場直後で約80分待ちという大きな反響をいただきました。視聴されたご感想は「おもちゃっぽく見えるのではないかと予想していたが、想像以上に本格的な高画質でびっくりした」「映画館で見ているみたい」。3Dに少し詳しい方だと「今までの3Dメガネはかけると暗くなるけれど、HMZ-T1では明るい3D映像が見られた」というご感想も多くいただきました。

増田: 実際に体験すると、クロストーク(二重像)のない3D映像の迫力や、有機ELの階調性の高さを実感できますが、この感覚は言葉だと伝わりにくいと思います。言葉で表せば「3Dで高画質」になると思いますが、これでは3Dテレビのキャッチフレーズと同じになってしまいます。

 世界で初めて(HMDとして)ハイビジョン3Dに対応したHMZ-T1の場合、まず”体験”することが重要で、それが最大のアピールになりますよね。

森氏: その通りだと思います。ですから、事前のプロモーションでは説明よりも体験に重点を置きました。まず入り口として、視聴しているスタイルに興味を持っていただきたいと考え、9月後半にJR・品川駅構内にある当社の展示スペースでデモを行いました。ガラスのショーケースに実際のモデルさんを入れて視聴している姿をアピールするというものです。そこではお客様は視聴できないのですが「何を見ているんだろう?」「どう見えるのか?」と立ち止まって興味を持たれた方が多くいらっしゃいました。

増田: 初物のAV機器らしく未来的なデザインなので、装着するとかなり注目されますね。

楢原氏: CEATECでも体験コーナーのステージを高くして、壁側ではなく会場側に向かって装着していただき、入場者にHMDをかけている姿が見えるようにしました。

2011年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2011」会場のソニーブースに設けられたHMZ-T1体験コーナー。最大80分待ちの大人気となった
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