2011年8月18日、米ヒューレット・パッカード(HP)は、同社の独自OS「webOS」を採用したタブレットとスマートフォンの事業を終了することを発表した。webOSは、PDAで一世を風靡した米パーム社が開発し、HPが買収によって引き継いだモバイル機器用のOS。09年の登場以来、アップルのiOS、グーグルのアンドロイドに次ぐ「第三勢力」になれるかどうか注目を集めていたが、肝心の端末の売り上げが伸び悩み、買収から1年強、webOS初のダブレット端末「HP TouchPad」の発売からわずか1カ月半にして、同社は事業終了という判断を下した。

個別の端末の公式サイトは残っているが、webOS自体のポータルサイトはすでに停止されている(画像クリックで拡大)

 webOSそのものについて、同社は「価値を最適化するための選択肢を検討する」としているが、丸ごと他社に売られるのか、それともOS自体も開発終了となるのかは不透明。パソコンをグローバル展開するHPの独自OS、しかもあのパームのDNAを持つOSとして、注目しているユーザーも多かったとみられるが、少なくとも現段階では、日本に上陸する可能性は極めて低くなった。

 あっけない事業終了だけが取りざたされているが、実はこのwebOS、ほかにはない先進的な機能を数多く有しており、当初は米国でも「台風の目になるのでは」と見られていた。今回は、最初にして最後のwebOSタブレット「HP TouchPad」(2011年7月発売)の実機をもとに、webOS端末失敗の理由を探った。未来を先取りしすぎたのか、そもそも他のOSに対抗し得るポテンシャルなどなかったのか――。

HP TouchPad。16GBモデルは当初499ドルだったが、発売後すぐ399ドルに値下げされ、事業終了の発表後には99ドルで“投売り”される結果に(画像クリックで拡大)