文房具を扱った雑誌やムックが次々と発売され、世間は文房具ブームがやってきたかのように見える。これに対し、今年のISOT2011(国際文具・紙製品展)は、大手メーカーの不参加が相次ぎ、また、文房具大賞に選ばれた製品も地味で手堅い物が多かった。このため、全体に小粒な印象を受けたと語る人も多かった。

 確かに、大手メーカーの不参加は目立ったが、それは今年に始まったことではない。どちらかというと文房具業界の不振というよりも、この手の見本市的なイベントそのものの問題であって、メーカーの文房具に対する姿勢やユーザーの熱意とはあまり関係ない。

 また、文房具大賞受賞製品にしても、手堅く完成度が高い製品や、従来からある素材の新しい可能性に挑んだものが多く、それは、文房具がもともと、家電やIT機器とは違い、小さなアイデアと工夫を積み上げながら、時間をかけて新しいモノを作っていくジャンルだからだろう。

 経済不況に陥ってからの文房具の新商品は、手間を惜しまず作り上げられた商品ばかりだ。今回のISOT2011でもそれは同じだ。例えばカール事務器の鉛筆削り「エンゼル5 ロイヤル」は、従来からあった製品の細部をリファインし、刃を国内で製作するなど、品質を向上させ、より使いやすく完成度を上げたものだ。また、キングジムとシヤチハタが共同で作った、自動的に日付がセットされる日付印「スグオシ」は、従来からある製品の新しい使い方、便利な使い方を提案している。このようにブラッシュアップし完成度を上げたもの、あるいは新たな使い方の提案などをしていることが、今年の傾向だともいえる。また、各メーカーが自社の得意分野に以前より自覚的になり、それぞれの個性を前に出す傾向も見られた。

 そんなISOT2011の出品製品から、ここでは特徴的な商品をピックアップしてみた。既に発売されている一部の商品を除き、ほとんどの製品は今年の9月以降に発売される新商品だ。