第68回ゴールデン・グローブ賞(以下、GG賞)が2011年1月16日に発表となった。最優秀作品賞・ドラマ部門では、下馬評通り『ソーシャル・ネットワーク』が選ばれた。最優秀監督賞もこの作品のデヴィッド・フィンチャーが受賞している。1月26日にノミネート作品が発表されたばかりのアカデミー賞の前哨戦と言われるGG賞。これを制したことで、『ソーシャル・ネットワーク』はオスカー獲得に一歩前進したという印象だ。

“いまが旬”の『ソーシャル・ネットワーク』

 『ソーシャル・ネットワーク』は、ハーバード大学在籍中にソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)フェイスブックを興した天才ハッカー、マーク・ザッカーバーグを描いた物語だ。ユーザーが5億人を超えて世界最大のSNSとなったフェイスブックは、どのようにして誕生し、成長していったのか──「世界最大のソーシャル・ネットワーク・サービスを作った若き天才の“ソーシャル・ネットワーク”(=社会関係)」を描いたのがこの映画である。

1月から上映されている『ソーシャル・ネットワーク』(画像クリックで拡大)

 GG賞の他のノミネート作は、『ブラック・スワン』、『英国王のスピーチ』、『ザ・ファイター』、『インセプション』だった。これらと比べ、『ソーシャル・ネットワーク』が格段に秀でているのは、まさに「時代性」にある。

 日本ではまだなじみの薄いフェイスブックだが、昨年はユーザー数でMyspaceを抜き世界最大のSNSとなった。CEOのマーク・ザッカーバーグも、昨年『Time』誌の「Person of the Year」に選ばれた。まだ26歳の彼の個人資産は69億ドルを超え、『フォーブス』誌は「世界でもっとも若い10人の億万長者」の第1位とするほどだ。さらに今年、ゴールドマン・サックスなどから15億ドル調達し、フェイスブックはいよいよ株式上場すると見られている。その企業価値は500億ドルと評価されている。

 映画『ソーシャル・ネットワーク』は、このようにフェイスブックに注目が集まるなか公開された。まさに“いまが旬”の映画と言えるだろう。

ゴールデン・グローブ賞映画部門各賞
作品賞・ドラマ部門 『ソーシャル・ネットワーク』
作品賞・ミュージカル・コメディ部門 『キッズ・オールライト』
監督賞 デヴィッド・フィンチャー/『ソーシャル・ネットワーク』
脚本賞 アーロン・ソーキン/『ソーシャル・ネットワーク』
主演女優賞・ドラマ部門 ナタリー・ポートマン/『ブラック・スワン』
主演男優賞・ドラマ部門 コリン・ファース/『英国王のスピーチ』
主演女優賞・ミュージカル・コメディ部門 アネット・ベニング/『キッズ・オールライト』
主演男優賞・ミュージカル・コメディ部門 ポール・ジアマッティ/『バーニーズ・バージョン』
助演男優賞 クリスチャン・ベール/『ザ・ファイター』
助演女優賞 メリッサ・レオ/『ザ・ファイター』
アニメーション映画賞 『トイ・ストーリー3』