ネットでのライブ鑑賞者が3万1629人――2010年12月20日、大手CD店のタワーレコード渋谷店でニコニコ動画で人気のピアニストmarasy(まらしぃ)のインストアライブが開かれた。同12月8日に初のCDアルバムを発売したことを記念したミニライブ。アルバム「V.I.P(Marasy plays Vocaloid Instrumental on Piano)」は、オリコンのアルバムデイリーチャートで総合24位、週間チャートで総合54位にランクインするなどピアノのインストゥルメンタルアルバムとしては好調な出だしだった。

 ライブはニコニコ動画の「ニコニコ生放送」(ニコ生)でも中継され多数の“観客”を集めた。冒頭の数字はライブ中継を楽しんだ人たちの合計人数。ネットを通じて映像や音楽が楽しめるニコ生は、アーティストにとってもファンにとっても重要なツールになりつつある。

 ニコニコ動画を運営するドワンゴと子会社のニワンゴは今年2月から、ニコニコ動画でエイベックス・グループが保有する音源を利用した動画作品を投稿したり、ユーザー生放送でBGMとして利用したりできるようにする。遠隔地のユーザー同士がネットを介して音楽を即興演奏したりデュエットしたりできるサービスも1月8日から始めた。動画投稿サイトでは、音楽著作権の問題がしばしば取りざたされるが、ネットで音楽を利用できる環境は整ってきている。ネットを中心に活動を広げメジャーレーベルからCDを発売するケースも相次いでおり、今後はさらに増える可能性がありそうだ。

 marasy(まらしぃ)は、ニコニコ動画を中心に活躍してきたアーティストの一人。ネットはこうしたアーティストにとってどのようなツールになっているのか――インストアライブを取材して聞いた。

「V.I.P(Marasy plays Vocaloid Instrumental on Piano)」(ドワンゴ・ミュージックエンタテインメント)は2000円(画像クリックで拡大)

――タワーレコードでの初のインストアライブは、用意したCDが完売する150名が来場しました。

marasy(まらしぃ)氏(以下、marasy):「皆さん温かくて……。でも、やっぱり重圧っていうのがありまして。人前でしゃべったりするのが得意ではないので。最初は緊張していましたけど、演奏しているうちにだんだん楽しくなってきました。どんなコメントが流れているのかも気になりました。結構見えましたよ、コメント。失敗したときは、たくさんのコメントがあったりして、やっぱり気づかれたかなーとか思ったりして(笑)」