スマートフォンの代名詞iPhone。日本ではソフトバンクから出ているが、電波の強さや通話エリアの面で一日の長があるNTTドコモの回線で使えれば、と考えている人は少なくないだろう。

 実は「ドコモ回線でiPhone」は実現できる。もちろんソフトバンクから発売されているiPhoneでNTTドコモ回線は利用できない。キーワードは「SIMフリー版のiPhone」。海外で売られているSIMフリー版を購入してNTTドコモの回線で利用する。

SIMフリー版iPhoneなら、NTTドコモの回線でiPhoneを利用できる(画像クリックで拡大)

 NTTドコモの回線でiPhoneを利用する方法は大きく二つある。一つは、SIMフリー版のiPhone 3GSを入手してNTTドコモのSIMカードで利用する方法。2010年8月より、ドコモショップへ持ち込んでの契約も行えるようになった。もう一つは SIMフリー版のiPhone 4を購入し、日本通信が8月末に発売したmicroSIMカードを利用する方法だ。どちらの方法でも、NTTドコモの回線とエリアで通話やデータ通信ができる。

 NTTドコモの回線で利用するiPhoneと、ソフトバンクのiPhoneにはどういった違いがあるのか。今回の記事ではまず、SIMフリー版iPhone 3GSの実機を使い検証した。iPhone 3GSはiPhone 4よりも安く入手できるのに加え、NTTドコモのユーザーならSIMカードを差し替えて利用できる。SIMフリー版iPhoneの購入やNTTドコモとの契約方法、ソフトバンクと比較してのエリア、通信速度、対応サービスに関するレポートをお届けする。利用してみるとNTTドコモのエリアの広さと通信品質の高さが際立つ一方、iPhone独自のネットワークサービスが使えないなど不便な点もあった。

SIMフリー版iPhone 3GSは通常サイズのSIMカードを使うので、NTTドコモのSIMカードをそのまま利用できる(右)。だが、SIMフリー版iPhone 4をNTTドコモのネットワークで利用するには、日本通信が提供するmicroSIMカードを用意する必要がある(左)。(画像クリックで拡大)

「SIMフリー」「SIMロック」とは?

 「SIM」とは、電話番号などの契約情報を記録しているICカード「SIMカード」のこと。機種変更する際にSIMカードを差し替えることで新しい携帯電話が利用可能になる。しかし、NTTドコモで契約したSIMカードを、ソフトバンクが販売するiPhoneに差し替えても使えない。ソフトバンクが販売しているiPhoneには、同社のSIMカードしか使えない「SIMロック」がかけられているからだ。

海外で販売しているiPhone 3GS、iPhone 4は国内での利用に必要な「技術基準適合証明等のマーク」(技適マーク)が認証画面に表示される。このため国内でも問題なく利用できる(画像クリックで拡大)

 海外に目を向けると、SIMロックのかかっていない、「SIMフリー」の携帯電話が流通している。携帯電話メーカーが直接販売しているケースもあれば、携帯電話事業者が一定期間の契約後にSIMフリー化するケースもある。これはiPhoneも例外ではなく、「SIMフリー版 iPhone」が流通している国がある。そこでSIMフリー版iPhoneを手に入れれば、NTTドコモのネットワークでiPhoneが使えるというわけだ。

 海外の携帯電話を国内で利用する場合には、気を付けなければならない点がある。携帯電話に「技術基準適合証明等のマーク」(技適マーク)がなければ電波法違反になり処罰の対象となること。 海外の携帯電話の多くは技適マークを取得していないが、新しいOS(iOS 4以上)にバージョンアップしたSIMフリー版iPhone 3GSとiPhone 4は画面上に技適マークを表示する形で対応しており、国内で問題なく使用できる。

 なお、NTTドコモではなくau(KDDI)などほかの携帯電話ネットワークで使いたい人もいるだろう。だが、NTTドコモとソフトバンク以外はiPhoneが採用している通信方式や周波数帯が異なるため利用できない。