いまやカメラに欠かせない存在となった機能の1つに「オートフォーカス」が挙げられる。ご存じの通り、ピントを手動ではなく自動的に合わせる機能だ。コンパクトデジカメはもちろん、デジタル一眼でもオートフォーカスを利用しての撮影が主流になっている。
オートフォーカスの方式は、大きく分けて「コントラスト検出法」(コントラスト検出AF)と「位相差検出法」(位相差検出AF)の2種類がある。コンパクトデジカメやミラーレス式のデジタル一眼ではコントラストAFが、デジタル一眼レフカメラでは位相差検出AFが用いられているのが一般的だ。基本的に「位相差検出AFはコントラスト検出AFよりも高速」という特徴があり、高速にフォーカスを合わせる必要があるスポーツ撮影では一眼レフカメラが重宝されてきた。
だが、富士フイルムからこれまでの常識を覆すコンパクトデジカメが登場した。新開発の撮像素子を採用することで、一眼レフカメラの特権だった高速な位相差検出AFが利用できる「FinePix F300EXR」と「FinePix Z800EXR」の2機種だ。「価格.com」のデジカメ分野では、早くも注目ランキングの1位になっているほどだ。
この秋注目すべき存在の新モデルの実力を検証してみた。
撮像素子の内部にAFセンサーを埋め込み、高速AFが可能に!
今回キーとなるのが、富士フイルムが開発した撮像素子「スーパーCCDハニカムEXR」だ。名称は従来からあるタイプと同じだが、画素の間に位相差検出用の画素を新たに組み込んだのが特徴だ。画面の中央部分を中心に、数万個もの位相差画素が埋め込まれているという。明るいシーンや望遠側での撮影では位相差検出AFが働き、暗いシーンや顔を認識した場合には自動的にコントラスト検出AFへ切り替わるという。
コントラスト検出AFは、撮像素子から得られた映像のコントラストがもっとも高くなるとピントが合っていると判断する方式だ。レンズを前後に動かしてコントラストの高くなる位置を探しつつ、ピントを合わせていく仕組みだ。ライブビューで表示するための映像をそのままオートフォーカスで利用できるメリットがあり、コンパクトデジカメでは一般的な方法となっている。
位相差検出AFは、レンズを通ってきた光をAF専用のイメージセンサーで受けて2つの像を生成し、像のズレを計測することでピントを合わせるというものだ。コントラスト検出AFは前後どちらにどの程度ピントがずれているのかが判断できず、レンズを動かす範囲が広くなってしまう。それに対し、位相差検出AFではズレの方向や距離まで計測できるため、その数字を基に素早くピントが合わせられるメリットがある。
位相差検出AFのデメリットとしては、位相差検出用のセンサーを設置しなければならないことだ。一眼レフカメラではミラーボックスの下部にセンサーを搭載しているのだが、ボディーの小さなコンパクトデジカメでは別途センサーを内蔵するスペースが確保できず、コントラスト検出AFに頼るしかなかった。FinePix2機種は、撮像素子内に位相差検出用のセンサーを埋め込むことで、別途センサーを搭載する必要をなくしたわけだ。











