調理力と健康の密接な関係

 さらに、同社が健康管理力について調査したところ、調理力と健康状態の密接な関係が浮かび上がってきた。「食材・栄養バランス管理」「脂質・塩分制限管理」「献立管理」「健康食品利用」「節制管理」の5つの項目を数値化して健康状態別のグループで見た結果、50歳代以上の健常者のグループはすべての項目で得点が高く、40歳代以下の生活習慣病予備群は全体的に得点が低かった。

 一方、同じ項目を調理力別のグループで見た結果では、調理力の最も低いグループに興味深い傾向が見られた。ほかの項目がすべて最低得点となっている中で、健康食品利用が飛び抜けて高いのだ。これは料理ではなく、健康食品やサプリメントで健康管理力を補っていると考えていいだろう。

健康状態と健康管理力(画像クリックで拡大)

調理力と健康管理力(画像クリックで拡大)

 渡辺氏は、調理力には「食材、調理法、味付けを選択する力(選ぶ知識)」「料理を作る技術」「献立の組み立て力(バランス感覚)」の3つのポイントがあると説明する。「料理を作る人は知識に対する関心が高い傾向がありますが、実際に足りないのは献立を組み立てる力だと思います。料理を作る技術は経験がすべて。作っていれば自然に身につく」と言う。

 渡辺氏の言葉を裏付けるデータが「ふだんの調理で困っていること」というアンケートの結果だ。「毎日の献立がなかなか決められない」という質問に、女性の53.5%が「はい」と答えている。

 顕著なのは40歳代女性の65.4%だが、「家族が嫌いな食材やメニューが多い」の回答が24.7%と、ほかの年代に比べて高いことも関係しているのだろう。

■ふだんの調理で困っていること
合計/
平均
女性
20歳代
女性
30歳代
女性
40歳代
女性
50歳代
女性
60歳代
女性
70歳代
以上
モニター数 1410 121 544 393 197 116 39
レパートリーが少ない44.2% 62.8% 51.8% 44.3% 40.1% 32.8% 33.3%
毎日の献立がなかなか決められない 53.5% 62.8% 57.4% 65.6% 49.2% 47.4% 38.5%

その日のメインメニューを決められない 20.9% 28.9% 25.4% 26.5% 17.8% 16.4% 10.3%
献立を前もって決めておくことが苦手 32.6% 33.9% 32.0% 39.2% 31.5% 31.0% 28.2%
副菜を用意するのが面倒 14.5% 28.1% 22.2% 15.5% 9.1% 6.9% 5.1%
汁物を用意するのが面倒 13.6% 18.2% 19.3% 17.3% 14.7% 9.5% 2.6%
同時に複数のメニューを作るのが苦手 20.2% 32.2% 22.1% 19.6% 14.7% 12.1% 20.5%
自分なりの工夫やアレンジがうまくできない 24.5% 29.8% 32.4% 29.0% 24.9% 18.1% 12.8%
家族が嫌いな食材やメニューが多い 14.5% 14.0% 18.0% 24.7% 13.7% 6.0% 10.3%
自分自身が嫌いな食材やメニューが多い 5.8% 7.4% 6.1% 4.1% 6.1% 3.4% 7.7%
おいしくできるメニューが少ない 13.0% 24.0% 14.3% 18.3% 12.7% 6.0% 2.6%
手持ちの調理器具を使いこなせない 12.9% 9.9% 11.0% 13.2% 15.7% 14.7% 12.8%
野菜の裁断や皮むきなど
基本的な調理が遅い
9.5% 19.0% 11.8% 8.9% 7.6% 4.3% 5.1%
調味料の使い方の基本が分からない 5.9% 9.1% 5.1% 4.8% 6.1% 5.2% 5.1%
レシピを見ても理解できない用語がある 5.0% 8.3% 3.9% 2.3% 5.1% 5.2% 5.1%
その他 5.7% 9.1% 6.8% 7.1% 6.6% 4.3% 0.0%
特に困っていることはない 18.0% 4.1% 10.7% 9.7% 17.8% 30.2% 35.9%
無回答 2.3% 0.0% 1.3% 1.5% 0.5% 2.6% 7.7%

 40歳代は、1970年代に上陸したファストフードに子供のころから親しんだ世代。昔ながらの食卓から遠ざかってしまった最初の世代なのかもしれない。また40歳代は、子供たちもある程度成長し、“食”を含めた生活に変化が出てくる時期でもある。この調査結果を踏まえて、50歳代からの健康的な生活のために、わが家の献立を見直してみてはどうだろう。