ここ5年ほど、邦画の好調が続いている。2006年、21年ぶりにシェアで洋画を上回り、07年は洋画がシェアを回復したものの、翌08、09年と2年連続邦画が上回った。今年は『アバター』や『アリス・イン・ワンダーランド』など、ハリウッドの3D映画が大ヒットしているが、邦画も夏に『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』、スタジオジブリの『借りぐらしのアリエッティ』、秋には3D大作『THE LAST MESSAGE 海猿』と大作が公開され、大ヒットが相次ぐと見込まれる。「邦画好調・洋画不調」といった状況は、依然として続いていると言っていい。
こうしたなか、ハリウッド大手のワーナー・ブラザースは、早くから邦画の製作・配給を手がけてきた。2006年の『DEATH NOTE』2作の大ヒットを筆頭に、08年『252 生存者あり』、09年『サマーウォーズ』、そして今年の『アウトレイジ』と、スマッシュヒットを送り出してきた。
外国の映画会社の支社が、現地の言語やスタッフで映画を製作するこの手法はローカル・プロダクションと呼ばれる。ヒットしないハリウッド映画の代わりに、手堅くヒットを送り出してきた。言うなれば「地産地消」で、日本だけでなくヨーロッパでも一般化している。日本でもワーナーに続き、昨年20世紀フォックスは『群青 愛が沈んだ海の色』、ソニー・ピクチャーズが『レイン・フォール/雨の牙』を製作・公開した。パラマウントも、今秋に松嶋菜々子主演で『ゴースト』のリメイクが公開待機している。いまやハリウッドメジャーが、日本映画を製作するのは珍しくない。
製作総指揮を手掛けた日本映画
ワーナーが製作・配給し、12月に公開が予定されている『最後の忠臣蔵』は、池宮彰一郎の時代小説を『北の国から』シリーズの杉田成道監督で映画化したものだ。役所広司と佐藤浩市のベテラン人気俳優が、討ち入りで生き残った赤穂浪士ふたりを演じる。
この作品は、ワーナー エンターテイメント ジャパンのウィリアム・アイアトン社長が製作総指揮をし、ワーナーがはじめて製作幹事を執った。本格的にローカル・プロダクションを始めて5年目、この作品を手がけた理由についてアイアトン社長はこのように話す。
「ワーナーは映画会社ですから、配給するだけでなく製作することも前提です。映画を作り、その権利を持ち、配給選定をするのがそもそものビジネスモデルです。そこに立ち戻ったということです。そして日本人の確たる魂を描くものが時代劇です。日本に敬意を表して、この作品を作りました」
ローカル・プロダクションでは、ハリウッド映画の配給では経験しなかったことも多々あったという。
「いちばん勉強になったのは、宣伝です。日本で製作した映画は、宣伝はゼロからスタートしなければなりません。ハリウッドで創られたものは、予告やポスターなど、いろいろな素材がそろっていますが、それに比べると作業量は膨大です。たとえばポスターの写真撮影から始めなければなりませんし、出資者とも相談しなければいけません。すべてにおいて非常に複雑な作業があるわけです。こうした経験を活かしながら、今後幹事会社として創った映画を出していきたいと思います」











