Twitterとの連携や、他メディアとのコラボを展開

 Ustreamは、4月下旬にサイトを日本語化し、5月には一般利用できるUSTREAMスタジオを渋谷にオープンした。iPhoneでの視聴・放送アプリも日本語化している。

――次々と新しいサービスが提供されていますね。

中川 それはTwitterの威力ですね。今までの常識ならば、電話でアポを取って趣旨を説明してと、何週間か何カ月かかかるのが当たり前でした。しかし、今回は孫社長からTwitterで『中川、お前がやれ』と名指し攻撃されてしまいました(笑)。否応なくTwitterの荒波にさらされ、おかげでフォロワーの数も1000の単位になりました。Twitterのスピード感によって、Ustreamの動きも加速している感じです。

――Twitterでのユーザーの反応はどうですか?

中川 Ustreamの配信に熱心な方にステッカーを差し上げているんですが、ものすごい反応でビックリしています。皆さん欲しがってくださって、お送りするとたいへん喜んでくださるので、とても驚いています。それだけUstreamにブランドロイヤリティーがあって、イメージが良くなっているんでしょうね。

渋谷にオープンしたUstreamスタジオ。一般ユーザー向けに無料で貸し出しされている(画像クリックで拡大)

 Ustream中継がテレビの全国ネットで放送されるなど、テレビやラジオとUstreamとのコラボレーションも増えている。このようなコラボレーションのオファーは多く、中川氏も積極的に進めていく方針だ。

――既存メディアとのコラボレーションは、どう感じていますか?

中川 コラボレーションすることで大きな反響があるのですが、正直なところまだトライアルの段階です。Ustreamでやること、テレビでやることの違い、コラボレーションすることで何が生まれるのか。お互いにWIN-WINになるにはどうしたらいいのか、常に自問自答しながら取り組んでいます。Ustreamにとって、テレビやラジオにとってどんなメリットがあるのか、答えを出していく必要がありますね。

TBSテレビ系「革命×テレビ」の制作発表会。テレビとUstreamのコラボレーション番組が増えている(画像クリックで拡大)

 「中長期的に収益を上げられるようになることが目標」と語る中川氏。まだビジネスとしては成立していないが、このスピードで普及が進めば、メディアとしてもコンテンツとしても次世代の核となるのは間違いない、という自信がうかがえる。

――今後の展開と機能拡充について教えてください。

中川 ユーストリームアジアとして、日本以外でのアジアでの展開も積極的に進めていきます。機能拡充については、皆さんが気持ちよく配信できるように、裏方として充実させていきたいですね。ただ、すべてを私たちがやるのではなく、利用者や企業に協力していただくこともあると思います。

 現時点では、Ustreamの視聴者のほとんどはTwitter経由だ。Twitterを使っていないユーザーに対しての導線はまだ貧弱で、“巨大メディア”と呼べるまでは至っていない。だが、モバイルからネットサービスまで幅広く事業を展開しているソフトバンクグループの力があれば、Ustreamが次世代コンテンツの中核になることも夢ではない。

著 者

三上 洋(みかみ よう)

 携帯電話とセキュリティーが専門のテクニカルライター。「Yomiuri Online サイバー護身術」(読売新聞社)など。またUstreamなどライブ動画の記事も執筆。毎週月曜夜9時からライブ動画の情報番組「Ust Today」をUstreamで放送している個人ブログ「ライター三上洋事務所」、Twitterは@mikamiyoh