6月11日、ついにワールドカップ南アフリカ大会が開幕する。しかし、普段はサッカーにあまり関心がなく、盛り上がりたくても盛り上がれない人も多いだろう。

 選手やチーム、戦術のことをよく知らない人でも、W杯を楽しめる方法はないか。ここでは、サッカーを社会情勢や国民性、ビジネスなど、ユニークな視点でとらえた本に注目。これらの本を通してサッカーの面白さ、奥深さが実感できれば、これまでとは全く異なる視点でW杯を楽しめるはず。

 そこで、“書店業界屈指のサッカー狂”を自認する「ブックファーストアトレ吉祥寺店」の塚本 忍店長に「ユニークな視点で、サッカーの面白さ、奥深さが実感できる本」を厳選してもらった。

今回おすすめ本をセレクトしていただいた、“書店業界屈指のサッカー狂”ブックファーストアトレ吉祥寺店・塚本忍店長

――セレクトのポイントは。

ブックファーストアトレ吉祥寺店・塚本 忍店長: 社会情勢や歴史、国民性などを踏まえたものを中心に選びました。

 スポーツの本はバイオグラフィー的なものか、特定の人にスポットを当てたノンフィクションが多い。そういったものとは違う、サッカーを社会情勢や歴史と絡めた視点でとらえた本はなぜか4年周期に出てくる。日韓W杯が開催された2002年あたりから出始め、ドイツW杯が開催された2006年もそうだった。今回も南アフリカW杯を前にして、南アフリカ情勢を絡めたものや人種差別を取り上げたものなど、いろいろ出てきています。

 そういった本が増えた要因は、ここ10年〜20年くらいで国際情勢が大きく変わったことも大きい。今回のアフリカもそうですし、東欧も共産主義が崩壊し、新たな文献や資料がかなり出てきている。

 こういった深い視点を持ったサッカー本の名著といえば、サイモン・クーパーの『サッカーの敵』や、木村元彦さんの旧ユーゴサッカー三部作(『誇り』『悪者見参』『オシムの言葉』)ですね。木村さんの本は選手を追いつつも、社会情勢をなぞらえている点が最高だと思います。

 今はCS放送やインターネットなどで選手や試合の情報などはいくらでも入手できてしまう。そういった情報は飽和しているわけです。そんななか、特にファン暦の長い人はもっと掘り下げたものを求める傾向があります。ファンをサッカー経験のある「元選手派」、Jリーグが発足してからファンになった「観戦派」、サッカー以外のスポーツも好きな「スポーツ全般派」に分けると、元選手派とスポーツ全般派は社会情勢を切り口にして深く掘り下げた本を求めていますね。

W杯直前ということで、「ブックファーストアトレ吉祥寺店」ではサッカー関連本を大々的に展開(画像クリックで拡大)