※この記事は日経エンタテインメント!(5月号)の記事を転載したものです。購入はこちら。
名古屋駅からJR東海道本線で20分ほど。3月23日、市内最大規模を誇るイオン大高ショッピングセンターに、「ワーナー・マイカル・シネマズ大高」が誕生した。
同劇場はワーナー・マイカルにとって60カ所目で、08年12月オープンの筑紫野(福岡県)以来、実に1年3カ月ぶりの開業となるシネコン。「最新鋭の設備を詰め込んだ“フラッグシップ劇場”」(広報部の久世弘美氏。以下同)という位置づけとなっている。
その目玉の1つが、同劇場最大のスクリーン10(401席)の中央後方に1列13席だけ設置された、ひときわ目立つ赤い椅子「D-BOX」だ。D-BOXとは、映画のシーンに連動して様々な動きを繰り出す座席のこと。もともとはホームシアター向けに開発され、09年から劇場への導入が始まった。北米でも13スクリーン、300席あまりしかなく、日本はもちろん、アジアでも初の導入となる。
単なるアトラクションではなく、非常に緻密(ちみつ)かつ、表現豊かに動くのが特徴。カナダのD-BOXテクノロジー社(以下、D社)が特許を持つ「D-BOXモーションコード」という独自技術により、映画の1フレームごとに、同社のモーションデザイナーが動きを設計。映写室に設置されたコンピュータから椅子の下にある3つの支柱に指示を送る。垂直上昇で最大3.75cm可動し、上下左右前後と、スクリーン上のアクションにぴったりとシンクロした動きを作りだす。その動作パターンは、数千にも及ぶという。
例えば映画『シャーロック・ホームズ』のオープニングでは、馬車がクローズアップされるにつれ乗り物特有の縦揺れが大きくなり、カーブを曲がるシーンではその動きに合わせシート後方から右、そして前方へラウンド。さらに、急停車に合わせて前傾姿勢になるなど、わずか数分の間に多彩な動作が盛り込まれている。











