各メーカーが発表したデジカメ新製品がほぼ出そろい、販売店の店頭をにぎわせている。ゴールデンウイークが近づいたこともあり、レジャー用に新製品の購入を検討している人も多いだろう。

 今、イチ押しのコンパクトデジカメは「薄型高倍率ズーム機」だ。光学10倍前後の高倍率ズームレンズを搭載しながら、ボディーの厚みを抑えた製品だ。これまでは、製品数があまり多くなかったうえに価格も高めで、売れ筋のスリムコンパクトモデルと比べると見劣りする存在だった。だが、今年はこれまでにないユニークな機能を備える製品が各社から続々と登場。目の肥えた買い替えや買い増しユーザーにも満足できる仕上がりになっている。

 最新の薄型高倍率ズーム機9機種をピックアップし、各製品の基本性能や独自機能などを見ていこう。

従来のスリムモデルと比べ、レンズのスペックや独自機能が魅力

 デジカメを購入しようと思っている人の大半は、すでに数年前に購入したデジカメを所有している買い替えや買い増しのユーザーだ。機能や装備が手持ちのデジカメとあまり変わらないのでは、新しいデジカメを買うメリットは薄くなってしまう。

 だが、最新の薄型高倍率ズーム機は以下のような特徴を持っており、買い替えや買い増しユーザーも満足できる内容となっている。

▼画角変化が大きく、遠くの被写体も大きく写せる

 3倍前後のズーム比を持つ古い機種と比べ、画角の変化が段違いに大きいのが最大のメリット。動物園など、遠くにいる被写体の近くに寄って撮影できないシーンでも、被写体を大きく引き寄せて写し撮れる。ズーム倍率は10~12倍が中心だが、パナソニックの「LUMIX DMC-TZ10」のように、画像処理により16倍相当のズームを可能にした機種もある。

カシオ計算機の光学10倍ズーム機「HIGH SPEED EXILIM EX-FH100」で撮影。広角端(左、24mm相当)と望遠端(右、240mm相当)を比べると、画角変化の大きさに驚かされる。広角撮影時には見えなかった右上の駅名標や券売機も大きく写し撮れた

2006年に登場した富士フイルムの光学3倍ズーム機「FinePix F30」の広角端(左、36mm相当)と望遠端(右、108mm相当)で撮影。ズーム比が3倍だと、画角の変化はこの程度にとどまる

▼望遠側だけでなく、広角域も広くカバーしている

 古い機種は広角端が35mm前後で、室内や風景の撮影では画角の狭さを感じることがあった。最新の薄型高倍率ズーム機は28mm前後が標準的で、より広い25mmの画角を持つ機種も登場。高倍率ズーム機というと、望遠撮影だけを重視していると思われがちだが、広角撮影も不満なくできる。

同じ撮影位置から、FinePix F30の広角端(左、36mm相当)とHIGH SPEED EXILIM EX-FH100の広角端(右、24mm相当)で撮影。両者を比べると、EX-FH100の方が被写体を広く撮影できるのが分かる。後ろに下がって撮影できない室内などでは重要となるポイントだ(画像クリックで拡大)

▼従来モデルと比べ、本体サイズの肥大化は最小限で済む

 さすがに3倍ズームの薄型モデルと同じ大きさ・重さ、というわけにはいかないが、大型のレンズや液晶モニターを搭載している割に肥大化は最小限に抑えられている。ポケットにも楽々収納できる。

光学10倍ズームの「HIGH SPEED EXILIM EX-FH100」(左)と、光学3倍ズームの「FinePix F30」(右)を並べてみた。肥大化はひとまわり程度に抑えられている。性能の違いを考えれば、十分に納得できる(画像クリックで拡大)

▼液晶モニターの大型化・高精細化を図っている

 撮影や再生の際に重要となる液晶モニターは、ほとんどの機種が3型以上の大型タイプを採用する。表示の精細さを左右するドット数も高くなっており、現在最高となる92万ドットのタイプが増えている。視野角も広くなっており、ハイアングルやローアングルの撮影でもライブビューの内容をしっかり確認しながら撮影できる。

背面の液晶モニターの大きさを比較。3型(左)と2.5型(右)は、数字以上の違いがあるのが分かる。解像度や視野角、明るい屋外での視認性も向上している(画像クリックで拡大)

▼充実した装備ながら、割高感は薄い

 売れ筋のスリムモデルと比べて価格差が意外と小さいのも見逃せない。パナソニックの最新LUMIXシリーズで比べると、光学5倍ズームレンズを搭載する「LUMIX DMC-FX66」は3万2800円前後なのに対し、光学12倍ズームレンズの薄型高倍率ズーム機「LUMIX DMC-TZ10」は3万9800円前後。高倍率ズームレンズ、AVCHD Lite対応のHD動画撮影機能、GPS機能、液晶モニターの大型化など、7000円アップでそれらが手に入ることを考えれば、コストパフォーマンスも高いといえる。