日本の携帯電話業界がスマートフォンに大きくシフトし始めた。NTTドコモは4月1日、グーグルのモバイルOS「アンドロイド」を搭載した本格的なスマートフォン「Xperia」を発売。同日、ソフトバンクは同じくアンドロイド携帯の「HTC Desire」の予約受付を開始。さらにKDDI(au)もアンドロイドやウィンドウズ・モバイルを搭載した「IS series」を、6月上旬以降に発売する予定だ。

NTTドコモのスマートフォン「Xperia」(画像クリックで拡大)

ソフトバンクのアンドロイド携帯「HTC Desire」(画像クリックで拡大)

auの「IS series」は、アンドロイド搭載機のほか、ウィンドウズ・モバイル機もある(画像クリックで拡大)

 これまで日本の主要キャリアは、アップルやグーグルなど米国勢が主導するスマートフォン・ビジネスには慎重な姿勢を崩さなかった。それは過去に日本独特の多機能携帯と豊富なサービスで世界をリードしてきたとの自負があり、そうした大成功を収めた従来型ビジネスをあえて崩してまで、未知の領域に踏み込む理由が見当たらなかったのだ。

 それが、ここに来て主要キャリアがスマートフォンに向けてかじをきり始めた背景には、日本でも2008年にソフトバンクが発売したiPhoneのすさまじい攻勢がある。発売当初スロー・スタートだったiPhoneは2009年に勢いを増し、その年の後半からは携帯売上ランキングでトップの常連となった。特にARPU(携帯ユーザー一人当たりからキャリアが得る収入)が極めて高いF1層(20〜34歳の女性層)が、いわゆるMNP(携帯電話番号の移行制度)を使って、どんどんiPhoneに乗り換えており、これにソフトバンク以外のキャリアが危機感を募らせ、ついに臨界点に達したと見ることができる。

 端末メーカー側の事情もある。それまで右肩上がりの急成長を遂げた携帯電話機市場は2008年以降、頭打ちから大幅な縮小に転じた。国内需要の先細りが明らかになった日本のメーカーは今後販路を海外に求めざるを得ない。このため日本独特の多機能携帯よりも、最初から世界市場向けに設計されたスマートフォンへと主力ラインアップをシフトさせたいのだ。