第一生命保険(以下「第一生命」)は2010年4月1日、相互会社から株式会社に組織変更して新しい一歩を踏み出す。同時に東証第一部に上場、売出価格は14万円で、NTT以来の超大型案件とあって注目を集めている。

 株式会社化に伴い、第一生命の大半の保険契約者は新会社の株式や現金を受け取った。このご時世に「棚からぼた餅」のうらやましい話だが、実際のところは保険契約者が支払ってきた保険料の一部が戻ってきたようなものだ。

第一生命が09年6月30日開催の定時総代会で決議した、株式会社化への概要。第一生命のデジタルブック「株式会社化・上場に関するお知らせ」から引用、以下同

 これまで第一生命がとってきた「相互会社」という組織形態は、保険契約者がお金を出し合い、互いに保障しあう相互扶助の精神に基づき、保険会社のみに認められているものだ。第一生命は1902年に設立された国内第一号の相互会社だ。

 相互会社には、株式会社でいうところの「資本金」がなく「株主」もいない。配当付きの保険の契約者は「社員」(団体の一員)として、経営に参加する権利も持ち、保険運営の結果として余ったお金(剰余金)は「配当」として還元される。まさに保険契約者による保険契約者のための会社だ。

相互会社では保険契約者が「社員」として経営に参加する権利を持つ。株式会社化で、保険の契約内容の変更はなく、配当も引き継がれるが、社員として経営に参加する権利は失われる