数多くの有力企業が集積し、今もなおウェブの最先端を突っ走る米国・西海岸。現地の合言葉は「フリーミアム」だ。クラウドサービスで大成功を収めるベンチャーが登場し、スマートフォンやブラウザーの次世代標準も西海岸で生まれようとしている。

 ここでは、発売中の日経トレンディ3月号「次世代ネットの衝撃」に掲載された最重要人物4人へのインタビューから押さえておくべき言葉を紹介。さらに、彼らの話から浮かび上がった、進化するウェブサービスのキーワードをまとめた。

「無料化」はどこまで進む?

WIRED編集長 クリス・アンダーソン氏

「今後のフリーミアムは、ウェブサービスだけでなく『モノ』にも波及していく」「フリーミアムのビジネスモデルでは、ロングテール型の戦略も重要なんだ」

Chris Anderson/英「エコノミスト」誌の編集者を経て、01年から米「ワイアード」誌編集長。04年には「ロングテール」という言葉を同誌で初めて紹介し話題を呼んだ。趣味はラジコン飛行機の製作(画像クリックで拡大)

 無限に存在するニッチな商品こそ、宝の山ーー。今や常識となった「ロングテール」理論の提唱者が、クリス・アンダーソン氏だ。最近では、企業の無料化戦略「フリーミアム」の重要性を説いた著書「フリー」が、日本でもベストセラーになっている。「フリー」の全文をまずネットで公開してしまうという驚くべき戦略によって、自ら「フリーミアム」の有効性を示した氏が、フリーミアムの今後について語った(インタビュー全文は、日経トレンディ3月号16−17ページに掲載)。

「オープンソース」

 フリーミアムに関連する重要キーワードの一つが「オープンソース」。プログラムの「原文」ともいえるソースコードを誰でも入手でき、場合により再配布や改変も自由なソフトウエアのこと。より広義に、開発にかかわるすべての情報が公開されているソフトや商品のことをオープンソースと呼ぶ場合も。

Firefoxもオープンソースで、一定の条件下でソースコードの変更や再配布が認められている(画像クリックで拡大)

「ロングテール」

 アンダーソン氏が提唱した概念で、ニッチな商品こそ重要な収益源、という考え方のこと。商品の売り上げ分布をグラフ化すると動物の「長い尻尾」(ロングテール)になっていることからこう呼ぶ。例えば音楽配信サービスの場合、実店舗と違い、在庫の種類を無尽蔵に増やせる。どんなにマイナーな曲でも一定のニーズはあるため、こうしたニッチな曲の売り上げを束ねると、ヒット曲に匹敵する収益を得ることができる。

アンダーソン氏が使っているロングテール型のSNS「Ning」(画像クリックで拡大)

(画像クリックで拡大)

「フリーミアム」

 基本サービスを無料(フリー)で提供して人を集め、有料(プレミアム)の付加サービスで収益を得るビジネスモデルのこと。ウェブの場合、通常は有料ユーザーの割合が数パーセントにとどまるため、より多くのユーザーを集めるか、有料サービスの付加価値を上げる戦略が必要に。