日本で初めて時速300kmでの営業運転を実現した、JR西日本の500系新幹線「のぞみ」が2月末で姿を消す。高速性能を追求した独特のデザインで今でも高い人気を誇る車両だが、居住性や他の系列との共通運用に問題を抱えていた。今後は改造を受け、山陽新幹線で「こだま」として走ることになる。

高速性能を追求した500系

 「新幹線」と聞いてイメージする車両は人それぞれだが、500系新幹線の姿を連想する人は多いのではないだろうか。500系はJR西日本が山陽新幹線向けに開発した車両で、1996年から97年にかけて、16両編成が9本、合計144両が生産された。

 運用開始は97年3月。日本初の時速300kmでの営業運転を行い、新大阪-博多間を最短2時間17分で結んだ。開業当時(72年)の山陽新幹線(最高時速210km)は3時間44分かかっていたので、それに比べて約1時間半の短縮。87年のJR発足直後に比べても40分以上の短縮だった。登場時は鉄道友の会ブルーリボン賞や通商産業省(現・経済産業省)のグッドデザイン賞を受賞し、子供向けの絵本などでもよく取り上げられ、現在でも人気は高い。

 他の交通機関との競合により高速運転を追求した設計で、ジェット戦闘機を連想させる約15mにも及ぶ先頭車両のロングノーズや、円筒状の車両断面形状が特徴。翼型パンタグラフ、セミアクティブサスペンションなど、数々の新技術が投入された。

「のぞみ」運用から撤退し、定期運用では東京駅で見られなくなる500系新幹線車両(画像クリックで拡大)

戦闘機の機首を思わせる近未来的なデザインの先頭車両が特徴的だ。外観のデザインはドイツの会社によるもの(画像クリックで拡大)

ドアや窓は、閉じたときにボディとなるべく平滑になるように段差を減らしてある。これも高速化を追求した結果のデザインだ(画像クリックで拡大)

騒音になる風切り音を低減するために採用された、フクロウの羽の形状を参考にしたという「翼型パンタグラフ」。のぞみ運用の終了とともに見られなくなってしまう装備だ(画像クリックで拡大)