百貨店業界が深刻な販売不振に陥っているなか、地方だけでなく都心の一等地にある店の生き残りも厳しくなってきた。09年に大丸心斎橋店北館として生まれ変わったそごう心斎橋本店に加え、西武有楽町店と四条河原町阪急の閉鎖も発表された。
そんななか、都心百貨店の“人気売り場”がネット通販に進出した。そごう・西武が手がけるコスメショッピングサイト「イケセイKIREI」と、三越伊勢丹ホールディングのメンズファッションサイト「イセタンメンズオンラインショップ」。百貨店がネット通販を手がけるのは珍しくないが、人気売り場を1つのショップサイトとして展開している点が新しい。果たして、その新戦略とは何か。
百貨店によるネット通販の強みは、ネット専業サイトにはない“信頼”と“ブランド力“だ。特によく利用する百貨店には“親近感”もある。そのぶん、通販サイトに誘導しやすく、中元・歳暮など、対面接客をあまり必要としないアイテムでは実績を伸ばしてきた。ここ数年は、ファッションや美容分野にも進出。百貨店各社はネットビジネスに活路を求めている。
ただ、対面での接客販売をウリにしてきた百貨店と、利便性や手軽さで成長するネット通販とでは、サービスの内容や質が異なるはず。両方の利点を生かしてこそ、他業態にはない百貨店ならではのネットビジネスを確立できる。そのポイントは、「店舗と販売員の顔が見えるサイト運営」。質の高いサービスと店舗並みの売り場づくりで“安心感を売る”取り組みが始まっている。











