パソコンの春モデルが早くも各社から登場した。新モデルのトレンドを見ていこう。

コードネーム「Arrandale」と呼ばれていたノートパソコン向けCore iシリーズ(画像クリックで拡大)

 一番のトピックスは、米インテルが1月8日に発表した最新CPU「Core i」シリーズだ。各メーカーとも主力モデルへ積極的に採用し、基本性能を引き上げてきた。ネットブック向けの低消費電力CPU「Atom」も世代交代し、消費電力が約20%削減されている。

 Core iシリーズは、複数の中核回路を持つマルチコアCPUだ。一番の特徴はグラフィックスチップをCPUに統合したこと。昨年9月、11月に発表したCore iシリーズは、デスクトップ向けの製品が多かった上、グラフィックスチップが非搭載だった。価格競争の厳しいパソコン市場の中で、グラフィックスチップを別に搭載してしまうとその分、コストを押し上げてしまう。このため、メーカー製パソコンへの採用は今ひとつ進まなかった。1月発表の新Core iシリーズは、グラフィックスチップを内蔵したほか、ノートパソコン用のものが数多く投入されたことで一気にパソコンメーカーが採用に踏み切ったのだ。

 昨年の冬モデルまで主力だった「Core 2」シリーズとの違いは、それまでチップセットに載せていたグラフィックス機能とメモリーコントローラーをCPUに統合したことだ。これにより、演算回路とデータのやりとりがより高速になった。その結果、パソコン全体が高速化されたのだ。

 機能面では、マルチスレッドに対応したソフトウエアを使用する場合や、複数のタスクを同時に実行するときに威力を発揮する「ハイパースレッディング」を搭載。Core 2シリーズより前に主力CPUだった「Pentium 4」に採用されていた機能だ。「ターボブースト」も新機能の一つ。使わないコアへの電力供給をオフにして、使うコアの動作周波数を一時的に高める。多くのソフトは一つのコアしか使わない設計になっており、動作周波数が高ければ高いほど処理が速くなる。2つの新機能により、マルチスレッド向けに設計されたソフトでも、従来のビジネスソフトなどでも高速な処理を可能にし、複数の作業を同時にしてもパソコンが重くなりにくくなったのだ。

 複数あるCore iシリーズ(下表)だが、どれを搭載したモデルが一番賢い選択なのだろうか。国内大手メーカー製のA4ノートを見ると、Core i5-430M(2.26GHz)とCore i3-330M(2.13GHz)を採用したモデルが多い。どちらも最新CPUだが、Core i3-330Mは廉価なCPUなので、Core iシリーズの目玉機能の一つターボブーストを搭載しない。Core iシリーズの新機能を存分に味わいたいのならCore i5-430Mを搭載したモデルを選ぶといいだろう。

■ノート用Core i3/5/7
製品名 コア数 HT
(コア数/ス
レッド数)
TB
(最大クロッ
ク周波数)
グラフ
ィック
スコア
3次
キャッ
シュ
TDP コード
ネーム
発表
Corei7-820QM
(1.73GHz)
4
(4/8)
× 8MB 45W Clarksfield 2009年9月発表
Corei7-720QM
(1.60GHz)
4
(4/8)
× 8MB 45W Clarksfield 2009年9月発表
Corei7-620M
(2.66GHz)
2
(2/4)

(3.33GHz)
4MB 35W Arrandale 2010年1月発表
Corei7-640LM
(2.13GHz)
2
(2/4)

(2.93GHz)
4MB 25W Arrandale 2010年1月発表
Corei7-620LM
(2.00GHz)
2
(2/4)

(2.8GHz)
4MB 25W Arrandale 2010年1月発表
Corei7-640UM
(1.20GHz)
2
(2/4)

(2.26GHz)
4MB 18W Arrandale 2010年1月発表
Corei7-620UM
(1.06GHz)
2
(2/4)

(2.13GHz)
4MB 18W Arrandale 2010年1月発表
Corei5-540M
(2.53GHz)
2
(2/4)

(3.06GHz)
3MB 35W Arrandale 2010年1月発表
Corei5-520M
(2.40GHz)
2
(2/4)

(2.93GHz)
3MB 35W Arrandale 2010年1月発表
Corei5-520UM
(1.06GHz)
2
(2/4)

(1.86GHz)
3MB 18W Arrandale 2010年1月発表
Corei5-430M
(2.26GHz)
2
(2/4)

(2.53GHz)
3MB 35W Arrandale 2010年1月発表
Corei3-350M
(2.26GHz)
2
(2/4)
× 3MB 35W Arrandale 2010年1月発表
Corei3-330M
(2.13GHz)
2
(2/4)
× 3MB 35W Arrandale 2010年1月発表
HT:ハイパースレッディング機能
TB:ターボブースト機能
色付きが今回発表されたCore iシリーズ。デスクトップ用とノート用があり、合計17モデルが投入される。製品名末尾にMが付くのはノート向け(モバイル向け)。末尾がLM、UMのTDPが低いモデルも用意されている