※この記事は日経トレンディ1月号(12月4日発売)「新製品完全テスト」の一部を転載したものです。情報は基本的に発売時点のものとなります。

 04年にシャープが「ヘルシオ」で減塩・減脂調理を提案して以来、健康機能の競争が続いてきたオーブンレンジ。高機能化に伴い価格も上がり、10万円以上の超高級モデルは今や、市場の1割弱を占めるほどに成長しつつある。

 特に08年以降は注目度が急上昇。節約志向の高まりや内食化の浸透で、家庭で食事をする機会が増えたためだ。これに伴い、オーブンレンジに求められる機能も一変。健康調理以上に、「普段のおかずをおいしく、手軽に作りたいという基本性能向上へのニーズが高まっている」(ヨドバシカメラ)。

 そこで09年モデルは各社の戦略も変化。原点に戻り、おいしく作れることを最大の訴求点に据え始めた。面白いのは、各メーカーがそれぞれ、自社の得意な技術で味を向上させた点。例えばパナソニックは、高火力で立ち上がりの早い遠近赤外線ヒーターのグリル調理が売りだが、09年はグリル皿を改良。ヒーターと組み合わせ、食材の裏までこんがり焼けるよう進化させた。日立アプライアンスも新モデルからヒーターの数を増加。火力を高めている。

 一方、東芝ホームアプライアンスは同社の強みであるオーブン機能を強化。庫内の天井をドーム形にするなどして、より効率的な熱対流を作り、高温でムラなく焼けるようにした。過熱水蒸気ブームを仕掛けたシャープは、09年のモデルにも同技術を生かし、健康調理の利便性を向上させている。

 もう一つ、新たな焦点になってきたのが時間短縮。内食が増えた結果、「調理時間を短くしたいニーズはより切実になってきている」(パナソニック)。そこで各社とも火力を高めるなどして、旧モデルより何分早く作れるかという点を、積極的にアピールしている。

04年

ヘルシオの登場で“健康機能”がトレンドに

各社が「ヘルシー+味」の両立を目指す

09年

原点回帰し、料理の味を追求するメーカーが増加

 シャープ「ヘルシオ」の登場以来、各社は減塩・減脂といった健康調理の性能を競っていた。だが今や上位モデルはどれも健康調理を標準搭載。そこで09年モデルは本質に戻り、料理の味や仕上がりで勝負するメーカーが増えている。

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“得意技”でおいしさを向上

それぞれのメーカーが、得意とする調理方法で味の向上を図っている。例えばシャープは、以前から搭載している過熱水蒸気の利便性をアップ。パナソニックと日立アプライアンスはヒーターの火力、東芝ホームアプライアンスはオーブン調理の性能を高めた

グリル調理

パナソニックと日立アプライアンスは、ヒーターの火力を強化。速熱性の高いヒーターを搭載したり、マイクロ波を集めて下から加熱するグリル皿を備えたりして、グリル調理などで、こんがりと焼けるよう工夫する(画像クリックで拡大)

過熱水蒸気

シャープは過熱水蒸気による健康調理の使い勝手を改良。「健康サポートメニュー」を設け、「カロリーが気になる」「疲れを感じた時に」など、ニーズごとに調理メニューを検索できるようになった(画像クリックで拡大)

オーブン調理

東芝ホームアプライアンスは、数年前のモデルで注力していたオーブン機能を再び強化。庫内の天井をドーム状にすることで石窯と似た環境をつくり、焼きムラの少ない仕上がりを目指す。特にオーブン調理で効果を発揮するという(画像クリックで拡大)

 

時間短縮で手間を軽減

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グリル調理やオーブン調理の利用頻度を高めるために、各社が料理の味と並んで力を注いでいるのが、調理時間の短縮。火力を高めたり、熱の回りを早くすることで、調理時間を極力、短くしようとしている