「ブルーレイも、TOSHIBA」「さぁREGZAに、ブルーレイを」というキャッチフレーズの立看板の前に立つ、東芝デジタルメディアネットワーク社 TV&ネットワーク事業部 DAV商品企画部 部長附の片岡秀夫氏と、映像マーケティング事業部 グローバルマーケティング部 TV担当 参事の本村裕史氏。片岡氏はハイビジョンレコーダー「VARDIAシリーズ」のコンセプトリーダーであり、AV機器マニアの間ではレコーダー界のカリスマとして知られる存在だ。本村氏は液晶テレビ「REGZAシリーズ」の顔といえる企画リーダーである。

 両氏がこのようなシーンに立つことは、1年前では想像もつかなかったことだ。ある意味、HD DVDを擁(よう)して戦った激烈な“次世代DVD戦争”終結後、満を持して登場した東芝のBD(Blu-ray Disc)参入を象徴する写真と言える。

ハイビジョンレコーダー「VARDIAシリーズ」のコンセプトリーダーである東芝デジタルメディアネットワーク社の片岡秀夫氏(左)と、液晶テレビ「REGZAシリーズ」の企画リーダーを務める本村裕史氏(右)(画像クリックで拡大)

 東芝がBD市場に参入した狙いや経緯、それに賭ける意気込みについて、キーパーソンの両氏に聞いていこう。

BDの本格普及を見過ごせなくなった

 インタビューの前に、まず1月14日に行われたREGZA/VARDIA発表会における同社のコメントから紹介したい。

 「技術サイドではBD対応がいったん決まれば、前を向いて進むのみで、対応が可能でした」(東芝 デジタルメディアネットワーク社 TV&ネットワーク事業部部長 下田乾二氏)。それを実現したのが「お客様の声でした」と東芝デジタルメディアネットワーク社 映像マーケティング事業部 日本部部長の岡田淳氏は語る。

 「HD DVD終息当初は、ハイビジョン記録はDVDレコーダー(DVDにハイビジョン映像を記録できる東芝独自の『HD Rec』機能)でも対応可能と考えていました。しかしここにきてBDソフトが増え、『REGZAでBDの最高画質を見たい』『BDレコーダーはいつ出るんですか?』といった多くのご要望をいただくようになりました。(同社のフラッグシップモデル)『CELL REGZA』などで最高の画質と音質をうたっているのに、ハイクオリティーなBDに対応しないのはいかがなものか……。そこで今回、BD導入に踏み切らせていただきました」(岡田氏)。

 今回のBD参入の背景には、BDの本格的普及という大きなトレンドがある。東芝としてもその流れを無視できなくなったということだ。具体的に言えば、他社のようにテレビとBDレコーダーのセット販売ができないことが大きな機会損失になってきたということだろう。

東芝の調べによると、テレビと同時もしくはほぼ同時にBDレコーダーを購入する人を合わせると約45%に上るという。ソニーやパナソニック、シャープのようにテレビとBDレコーダーのセット販売ができないことは大きな機会損失につながっていた(画像クリックで拡大)