2009年で特に印象的だったのは、オリンパスイメージングの「オリンパス・ペン E-P1」やパナソニックの「LUMIX DMC-GF1」などのマイクロフォーサーズ一眼の大ヒットだ。これまでレンズ交換式デジタル一眼を購入したことがなかったユーザー層を広く取り込むことに成功し、デジカメ業界に明るい話題を振りまいた。

 2010年は、これまでなかった新技術が各社の製品に盛り込まれ、デジカメがより便利かつ魅力的になるのは間違いない。これまで登場した製品や展示会での発表などを基に、デジカメが今後どう進化するのかを大胆に予想してみた。

2010年は小型デジタル一眼の人気が加速しそう

 1月初旬から米国で開催される家電展示会「2010 International CES」を前に、Samsungからレンズ交換式デジタル一眼の新製品「NX10」が発表になった。2009年春のカメラ展示会「PMA2009」でモックアップが初公開されたミラーレスデジタル一眼「NXシステム」の第一弾モデル。Samsungが独自に開発した規格で、現時点では同社以外の参入メーカーはないと見込まれる。パナソニックやオリンパスイメージングが製品を発売しているマイクロフォーサーズの競合となる製品だ。

Samsungが海外で発表したレンズ交換式デジタル一眼「NX10」。マイクロフォーサーズと同じく、ミラーを省いて本体を薄型化した新規格のデジタルカメラだ(画像クリックで拡大)

背面のモニターは、デジタルカメラとしては珍しく有機ELを採用しているという。視野角の制約がある液晶とは異なり、ほぼ真横からでも内容が確認できる。ハイアングルやローアングルでのライブビュー撮影もラクにできそうだ(画像クリックで拡大)

2009年に米国で開催されたカメラ展示会「PMA2009」で展示されていたNXシステムのモックアップ。NX10は、このモックアップとほとんど変わらない姿で製品化されたといえる(画像クリックで拡大)

 NX10は以下のような特徴を備える。

・ミラーを省いたミラーレス構造を採用、本体を大幅にスリム化
・撮影はコンパクトデジカメと同じライブビューを利用
・レンズマウントは独自開発のNXマウントを採用
・撮像素子はAPS-C型のCMOSセンサー(有効1460万画素)
・ファインダーは光学式ではなく電子ビューファインダーを搭載
・背面のモニターは3型の固定式有機ELパネル(640×480ドット)
・HD動画撮影が可能(720p、H.264形式)
・交換レンズは3本を用意(18-55mm、55-200mm、30mm)
・手ぶれ補正機構は本体に搭載せず、レンズに依存
・ボディーカラーは「ノーブルブラック」と「チタンシルバー」の2色
・海外での発売は2010年春を予定
・国内での発売はないと思われる

 2009年最大のヒットとなった「オリンパス・ペン E-P1」を発売したオリンパスイメージングや、初のマイクロフォーサーズ対応機「LUMIX DMC-G1」を先駆けて発売したパナソニックも、マイクロフォーサーズ機の新製品を投入する可能性は高い。E-P1のヒットを受け、本体の質感やデザイン性にこだわった製品が登場すると思われる。逆に、好評の質感を維持したまま低価格にシフトした製品が出れば、普及に弾みがつきそうだ。

 ニコンやキヤノンなど、すでにデジタル一眼レフカメラを発売しているメーカーがミラーレス一眼に参入する可能性は低い。FマウントやEFマウントなどの現行のデジタル一眼レフ用レンズは、フランジバック(レンズマウントから撮像素子までの距離)が長い。たとえ機構的にミラーレスにしても、ボディーの奥行きがフランジバックよりは短くできないため、現行のデジタル一眼レフカメラと大きさはそれほど変わらないはずだ。ミラーレス一眼の規格を新たに作り上げれば話は別だが、現行のデジタル一眼レフで成功していることを考えると、現実味は薄いだろう。