Windows 7 StarterとWindows XP、どっちが速い?

 機能の違いの次は、スピードの違いを見てみよう。Windows 7はWindows XPより起動や終了が速いと言われる。果たしてスペックの低いネットブックではどうだろうか?

 同じスペックのネットブックでOSにWindows 7 StarterとWindows XPのどちらかを選べるHP Mini 110 by Studio Tord Boontjeを使い、起動時間、終了時間、そしてアプリケーションの実行例として、Internet Explorer 8を起動して3つのWebサイトを開くのにかかる時間を測定して比較した。

左がWindows 7 Starterモデル、右がWindows XPモデル(画像クリックで拡大)

 メーカー製パソコンは独自のユーティリティソフトやドライバーなどが追加されていて、それにより起動に時間がかかる。そこで「システム構成」でマイクロソフトのサービス以外は停止しておき、ほぼクリーンインストールした状態でテストした。

 参考に、Windows 7 Enterprise(Ultimateと同じ機能を持つ上位エディション)をインストールしたやや古いネットブック(CPUはAtom N270、ディスプレイは1024×768ドット)でも同じテストをした。

Windows 7 StarterとWindows XPの比較テスト

Windows 7 Starter Windows XP Windows 7 Enterprise
起動時間 65秒02 48秒25 42秒21
終了時間 15秒48 33秒92 14秒67
IE8の起動時間 21秒39 16秒06 16秒20

10回測定して平均を算出。「InternetExplorer 8」(IE8)の起動テストは、起動時のトップページに3つのWebサイトを登録し、起動してから表示が完了するまでの時間を測定した。1回ごとにキャッシュをクリアしている

 結果を見ると、起動時間とIE8の起動テストはWindows XPが勝り、終了時間はWindows 7 Starterが勝っている。全体的に見て、同じハードウエアにインストールした場合、Windows 7 StarterよりもWindows XPの方がパフォーマンスはやや上回る。

 Windows 7が遅いのかというと、そういうわけではなさそうだ。参考のWindows 7 Enterpriseの結果を見ると、起動時間もIE8の起動テストもWindows XPと遜色ない成績だった。そして終了時間はWindows 7 Starterとほぼ同じでWindows XPよりずっと速い。原因は不明だが、パソコンによってはWindows XPとほぼ違いのないパフォーマンスを示すこともありそうだ。

メモリー消費量は7 Starterの方が多い

 クリーンブートに近い状態で、起動してしばらく放置した後のメモリー消費量を比べてみた。

Windows 7 Starterのタスクマネージャ。メモリー消費量、動作しているプロセスの数はWindows XPより多い(画像クリックで拡大)

Windows XPのタスクマネージャ。メモリー消費量、動作しているプロセスの数がWindows 7 Starterより少ない(画像クリックで拡大)

 Windows XPの方が動作しているプロセス数は少なく、メモリー消費量も少ない。しばらくテストしていて感じたのは、Windows 7 Starterの方が体感速度がやや遅いということだ。スタートメニューや右クリックメニューの開閉、ウインドウの開閉などを同時にするとWindows 7 Starterの方が動きが鈍い。

 参考に用意したWindows 7 Enterpriseを搭載したネットブックは、Aeroをオンにした状態(透明効果はオフ)でWindows XPと同等にシャキシャキと動作し、Windows 7 Starterと比べて快適に利用できた。このことから、Aeroに対応できるパソコンなら、Aeroを利用できるWindows 7 Home Premium以上のエディションの方が、Windows 7 Starterよりも動作が軽快でストレスなく使えそうだ。

バッテリー駆動時間は7 Starterがやや長い?

 最後に、バッテリー駆動時間の違いをテストした。2台とも省電力機能をすべてオフに、液晶の輝度を最大、無線機能をすべてオンにして、動画を再生し続けた。

Windows 7 StarterとWindows XPの比較テスト

Windows 7 Starter Windows XP
バッテリー駆動時間 128分37秒 120分42秒

Windows 7 Starterの方が6.3%ほど長く駆動した。バッテリー駆動時間を重視するならWindows 7 Starterを搭載したネットブックの方が向いている

Windows 7 Home PremiumとWindows 7 Starterは別物

 Windows 7 Starterは、Windows XPよりも動作はやや重い。ストレスを感じるほどではないが、Windows XP搭載のネットブックを使っていた人が乗り替えると不満を感じるだろう。CULVノートのようにメモリーを2GB以上搭載しているパソコンなら、Windows 7の動作はとても軽快だ。しかしメモリーが1GBのネットブックではWindows XPの方が軽い。動作の軽さを重視するならWindows XPを搭載したモデルを選ぶと良いだろう。

 操作性とバッテリー駆動時間はWindows 7 Starterの方が上だ。機能面では壁紙が変更できない。マルチディスプレイ機能も劣る。それ以外にできることは大差ない。メールやネットの利用が主な目的ならどちらのOSでもかまわない。逆に言えばWindows XPで十分であり、Windows 7 Starterを積極的に選ぶ意味はあまりない。

 Windows 7 Home Premiumと比べると、機能はかなり劣る。Aeroを利用可能なスペックなのに利用できないといった不満もある。同じWindows 7でも、Windows 7 Home Premiumとは全く別物と考えた方がいいだろう。Windows 7の新機能をフルに利用したい人はWindows 7 Home Premiumを搭載したネットブックを選ぼう。予算に余裕があるならCULVノートを選んだほうがよいだろう。

 ではWindows 7 Starterを搭載したネットブックを買ってはいけないのか? となると判断が微妙なところだ。ネットブック本来の用途であるインターネットとメールには必要十分な機能を備えている。「Windows Anytime Upgrade」を使えばWindows 7 Home Premiumへアップグレードできる。

(文/湯浅英夫)