※この記事は日経エンタテインメント!(11月号)の記事を転載したものです。購入は こちら

 8月31日、ウォルト・ディズニーはコミック出版社大手のマーベル・エンタテインメントを40億ドル(約3700億円)で買収すると発表した。

 マーベルはキャラクターの権利を5000以上所有する上場企業で、昨年の売り上げは約5億ドルに上る。同社のコミックは、『スパイダーマン』を筆頭に『X-MEN』『アイアンマン』などが実写映画化され大ヒット。この3つのシリーズだけで8作品が作られ、全米で稼いだ興収は22億ドルを超える。最近では、出版社でありながら映画の自社製作にも力を入れている。

 ディズニーがマーベルを買収した狙いは、男性向けキャラクターの強化だ。これまでディズニーのキャラクターや映画は家族向けが中心だったが、近年はティーンの女の子向けキャラクター開発に力を入れていた。成功例が、自社のケーブルチャンネル「ディズニーチャンネル」から生まれたテレビ番組『ハイスクール・ミュージカル』と『シークレット・アイドルハンナ・モンタナ』。番組の映画化が大ヒットしたり、番組に出演しているザック・エフロンやヴァネッサ・ハジェンズ、マイリー・サイラスらが人気者になった。

 そこで、ディズニーが次に力を入れ始めたのがティーンの男の子向けのキャラクター開発だ。今年に入ってケーブルチャンネル「トゥーンディズニー」の局名を、「ディズニーXD」に変更。ティーンの男の子に人気のマーベルのアニメを週20時間放送していた。「マーベルの買収で、さらにマーベルアニメの放送が増えるだろう」(ディズニーのボブ・アイガーCEO)。

マーベルのヒーロー映画は相次いでヒット
タイトル 全米の興収(ドル) 全米の配給
スパイダーマン(3作品) 11億1400万 ソニー・ピクチャーズ
X-MEN(4作品) 7億8650万 20世紀フォックス
アイアンマン 3億1840万 パラマウント
ファンタスティック・フォー(2作品) 2億8700万 20世紀フォックス
ハルク(2作品) 2億6700万 ユニバーサル
マーベルが自社で映画を製作
公開予定 タイトル 内容 配給
2010年5月 アイアンマン2 兵器企業の社長が、自ら作ったパワードスーツを着て、悪に立ち向かう パラマウント
2011年5月 ソー 北欧神話に登場する怪力の神ソーを題材にしたヒーローが活躍 パラマウント
11年7月 キャプテン・アメリカ 星条旗をモチーフにしたスーツとマスクを身に着けたヒーローが活躍 パラマウント
2012年5月 アベンジャーズ アイアンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカがそろって出演する パラマウント

『アイアンマン』のラストには、サミュエル・L・ジャクソンふんする謎の男ニック・フューリーが登場した。原作コミックでは、彼がアイアンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカを結集して、ヒーロー部隊を率いる。映画版でも同じストーリー展開になるものとみられる