互いの弱点を補える関係

『パフォー!』のNHK制作局・神原一光ディレクター(左)と、『イツザイ』のテレビ東京制作局・井関勇人プロデューサー(右)。このコラボが初対面

 スケジュール調整は相当苦労したようだが、そのわずらわしさを押してでも踏み切った理由を聞くと、こんな答えが返ってきた。

 「『パフォー!』はもともとテレビに出るだけじゃない展開を入れたくて作った番組。それもあって、ここに投稿すると、“こんな騒ぎになるよ”ということを示したかった」(NHK制作局・神原一光ディレクター)

 スポンサーをつけられないNHKは、いくら金のタマゴを見つけても“その後の展開”を作りづらい。ならば、“騒ぎ”を大きくしようというわけだ。

 一方のテレ東は、バンドやCM女優など、いろいろな分野ですでに人材を世に送り込んでいる。実力派イケメンバンドとして人気上昇中のHI LOCKATIONMARKETSは、『イツザイ』のバンドオーディションから生まれた5人組だ。

 しかし、テレ東は放送ネットが少ないという心細さがある。同番組が見られるのは全国でわずか10局(放送日遅れ含む)。それがNHKなら全国津々浦々に同時放送される。モチベーションもグンと上がる。

 「たまたま行った飲食店が、ある芸人のバイト先だったとき、店員仲間に“彼はNHKに出られるのか?”と聞かれました。『イツザイ』からは、プロデビューした者が何人もいるが、“また別な先がある”となったことで、いままでと違う空気が生まれている。それだけでもやる意義がある」(テレビ東京制作局・井関勇人プロデューサー)。こんな雰囲気のなか、出演者だけでなく、作り手たちのやる気もがぜん高まっているという。

 盛り上げには、コラボ期間の長さも一役買っている。これまでのコラボ番組は、放送日直前の告知で済ませていたものが多いが、今回は2カ月かけて行った。その間、互いに相手の番組告知コーナーを設けたのも、極めて異例だ。

 「長期の企画はNHKからの提案。1回っきりの番組じゃなくなったことで、プロジェクト感も高まり、コラボの新しい形がアピールできたと思っている」(井関氏)

 今回の企画は、『パフォー!』のテリー伊藤が『イツザイ』に挑戦状を出す形で始まった。テリーといえば、自身が企画・演出をした『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』や『浅草橋ヤング洋品店』などで、過去に多数の人気者を見つけてきた“宝探しの名人”だ。コラボ番組の新しい波到来とともに、新たなスターが生まれることを期待したい。

(文/日経エンタテインメント!編集部)