前作『序』の興行収入20億を超える大ヒット。旧テレビシリーズと大きく変化した内容と併せて、気鋭の批評家・宇野常寛氏がヒットの背景を論じる。

 6月27日公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が好調だ。

 15年前のテレビシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』は、地球規模の大災害に見舞われた世界を舞台に、選ばれた少年少女たちが、使徒と呼ばれる謎の生物と戦う話。これを4部作の劇場版でリメイクすると発表されたのが07年。同時に公開された第1作目の『序』は、旧作の序盤を踏襲するストーリーだった。

 劇場版2作目となる本作『破』は、旧作のテレビ版とは大きく変化したストーリーとなった。様々に追加された新要素の読み解きや、『破』が大ヒットした要因を評論家の宇野常寛氏に論じてもらった。

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破』の勢いがとまらない。興行収入は公開17日で20億円を突破、関連グッズの売り上げも好調で、公開にあわせてスタートした旧作のテレビ版『新世紀エヴァンゲリオン』の再放送は深夜帯にもかかわらず高視聴率を獲得している。

 実際、SFロボットアニメとして『破』の完成度は非常に高い。旧作を意識しつつ周到に散りばめられた謎、メリハリの効いた演出、スピーディーな展開とアクション、練りこまれたデザインワーク、どれをとっても一級品だ。高い作画密度を誇りながらも脚本、演出を中心に失敗が目立った前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』をクオリティーで圧倒している。

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プロフィール

宇野常寛

うの・つねひろ 1978年生まれ。批評家、編集者。文学、サブカルチャー、社会時評、コミュニケーション論など幅広く評論活動を行う。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)。近著に更科修一郎との時評対談集『サブカルチャー最終審判(仮)』(サイゾー)。文芸誌を中心に連載多数。