それでも南アでW杯は開催される

 大会期間中は、例えばエジプト代表のホテルに空き巣が入ったり(数名の選手が“いかがわしい人たち”を呼び込んだのが原因とされる)、日本人メディアが強盗に遭ったという噂が流れたり(その後の続報は確認できていない)、まったく問題がなかったわけではなかった。

ヨハネスブルクの空港のグッズ売り場。W杯南ア大会まで1年を切り、現地ではあちこちで大会グッズを見かける(画像クリックで拡大)

 それでもサポーターが事件に巻き込まれて死亡したとか、スタジアムの照明が落ちたとか、スタンドが崩れて大惨事になったとか、そういった大会そのものを揺るがすような大事件は起こらず、南アでのコンフェデ杯は無事に閉幕した。

 ひところは「ブラッター会長が代替開催を示唆」とか「代替開催は日本か、ドイツか」などといった報道がなされたこともあったが、コンフェデ杯の成功(一応、成功といってよいだろう)によって、来年のW杯が南アで開催されるのは、もう間違いないと見てよいだろう。

 南アでW杯が開催されることについて、ネガティブな要素もあるが、悲観したり不安がったりする必要はないと思う。本番でも、運営面でいろいろと至らない面は出てくるだろうが、それでも運営サイドの叡智とソリューション、そして世界中から集まってくるサッカーファンの勇気と協力があれば、それなりに大会は成功すると思う。

 私自身、こちらに来るまでは「何でアフリカなんかで開催するんだ」とかなりネガティブな気持ちであったのだが、現地の人々の笑顔とホスピタリティ、そして欧州ともアジアとも明らかに異なる、アフリカ独自のスタンドの盛り上がりを見て、大いに考えを改めた次第である。

 少なくとも現地を訪れるファンたちが、それなりの準備をもって臨めば、来年の南ア大会はなかなかに楽しい大会になるのは間違いない。行くか、止めるか。行くとすれば、どれだけの情報を集めて、犯罪から身を守ることができるか。いずれにせよ来年の南ア大会は、これまで以上に「自己責任」が問われる大会になることだろう。

(文・写真/宇都宮徹壱)

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