2011年7月のアナログ放送終了に向け、各社が半期に一度のペースで新製品を投入し、猛烈な勢いで画質を進化させている液晶テレビ。では今後の流れはどのようになっていくのか。前回に引き続き、デジタル・メディア評論家の麻倉怜士氏に聞いた。

多様化するコンテンツとテレビの高解像化に向けて超解像技術が重要に

──テレビの画質を向上する技術として「超解像」という新しいトレンドが生まれました。

東芝が2008年秋に発売した「REGZA ZH7000シリーズ」(画像クリックで拡大)

麻倉 技術発表自体は日立製作所が先でしたが、テレビ製品としては東芝が最初に手がけました(※)。三菱電機も液晶モニターに搭載しています。ソニーも(パソコンの)「VAIOシリーズ」やカムコーダー内のソフトウエアで超解像処理を行うなど、各社で研究を進めている状況です。

 東芝が初めて超解像技術を搭載したのは、2008年秋に発売した「REGZA Z7000シリーズ」以上の上位機種です。これらの機種では、DVDコンテンツ(720×480ドット)や地上デジタル放送(1440×1080ドット)からフルHD(1920×1080ドット)への超解像処理を実現していました。

 最新モデル(REGZA Z8000シリーズ以上の上位機種)はさらに進化し、SD解像度からフルHDへアップコンバートされた映像や、BDタイトルなどのフルHD映像も超解像処理によってさらに高精細化できるようになりました。今度の東芝の超解像技術はかなり進んだと思います。

──DVDなどのSD映像にも効くのでしょうか?

デジタル・メディア評論家の麻倉怜士氏(画像クリックで拡大)

麻倉 DVDがハイビジョンのように見えるというところまでは行きませんが、映像はそれなりに良くなります。それよりも、地デジとフルHD映像の方が効果が現れますね。ディテールがある映像であれば、よりクッキリと表示されます。

──超解像はこれから重要になる技術でしょうか。

麻倉 単純拡大ではなく、アルゴリズムを用いて“知恵の入ったアップコンバート”を行う機能は、これから非常に重要になります。テレビは解像度が上がりましたが、映すコンテンツがそこまで達していない。地デジもそう(地上デジタル放送の解像度は1440×1080ドット)だし、IP放送は良くても(垂直解像度が)720程度で、YouTubeなどはもっと悪い。

 今後4倍密(フルHDの縦横それぞれ2倍の3840×2160ドット)、16倍密(スーパーハイビジョンと呼ばれる、7680×4320ドット)とかのテレビが出てくると、フルHDのコンテンツでも解像度が足りません。そうなるとコンテンツの解像度をさらに高める超解像は必須の技術になると思います。