奇想天外な恋物語を描いた映画『ウルトラミラクルラブストーリー』(公開中、監督:横浜聡子、主演:松山ケンイチ)でヒロインを演じた麻生久美子。今や日本映画界になくてはならない女優に成長した。2009年は主演映画『インスタント沼』に加えて、『おと・な・り』など、出演作品が立て続けに公開される。今回は『ウルトラミラクルラブストーリー』の撮影秘話や、映画に重点的に出演し続ける理由に迫った。

麻生 久美子(あそう くみこ)
1978年6月17日千葉県生まれ 1995年、『BAD GUY BEACH』で映画デビュー 出演作品は50本を超える人気女優。主な出演作は映画『カンゾー先生』、『THE 有頂天ホテル』やドラマ『時効警察』など。

 1998年の『カンゾー先生』で本格的に日本の映画シーンに登場した麻生久美子。その後も、大作、話題作に次々と出演し、数々の映画賞を獲得するなど、映画女優として第一線で活躍してきた。また06年にはテレビドラマ『時効警察』でコミカルな演技も披露し、役柄を広げた。07年には結婚し、08年には巨匠アボルファズル・ジャリリ監督のイラン映画『ハーフェズ ペルシャの詩』にも出演するなど、公私ともに充実。演技力にも磨きがかかったように感じる。

 今年に入ってからも出演作3本が次々と公開され、『インスタント沼』でのコミカルな役や『おと・な・り』での等身大の役をいずれも見事に演じた。これまでに出演した映画作品が50本を超え、いよいよ大女優への道を歩み始めたようだ。

 そんな麻生久美子が出演する最新作が『ウルトラミラクルラブストーリー』。青森の田舎を舞台に、子供のように純真な心をもつ松山ケンイチ扮する主人公と、東京からやってきた麻生久美子演じるヒロインが次第に気持ちを通わせるお話――。このように書くと、いいお話というイメージを抱くかもしれないが、その内容は作品名の通り、ウルトラでミラクルなシーンが次々と飛び出す。ネタバレになるので、具体的には書けないが、気鋭の女性監督・横浜聡子が演出したそれぞれのシーンが何を意味するのか、何の暗喩なのか、分かりそうで分からないもどかしさが本作の魅力と言ってもよい。

 麻生久美子の役どころは、東京から来た普通の保育士。彼女以外の出演陣はすべて津軽弁で、彼女だけが標準語を話す異質な存在だ。『インスタント沼』や『おと・な・り』とは異なる役柄を、どのように考えて演じたのか? 普通ではない青森の青年を演じた松山ケンイチをどう見たのか、そして奇想天外な演出を用意した横浜監督は彼女の目にどのように映ったのだろうか。