日経トレンディ6月号では「業界再編で何が変わる?コンビニ、次の一手」を特集しています。大手コンビニの最新勢力図や、各コンビニの“電子マネー・ポイント”“PB”“ATM・ネット通販”の違いなどを詳しく分析しています。ぜひご覧下さい。

 昨年導入された「タスポ」(たばこ自動販売機用成人識別ICカード)の影響で、売り上げを伸ばしたコンビニ業界。大手チェーンでは“タスポ特需”で新たに開拓した顧客を囲い込むため、次々とサービス強化に乗り出している。値ごろなPB(プライベート・ブランド)商品の拡充や、ネット通販の受け取り・ATMサービスの強化、電子マネー・ポイントプログラムの刷新、など。

 こうした大手の攻勢に対し、中小チェーンも黙ってはいない。特定の地域で絶大な勢力を持つ地方の有力チェーンは、ユニークな試みで大手と差別化を図っている。一体、何を武器に大手コンビニチェーンとの違いを打ち出しているのか。代表的な地方有力チェーンの取り組みを追った。

店内で“焼きとり弁当”まで作る
北海道の雄、「セイコーマート」

 北海道を中心に1040店を展開する「セイコーマート」(うち100店は埼玉県と茨城県に展開)。同チェーンの強みは、値ごろな価格で販売される店内調理だ。大手チェーンが本格的に店内調理を手がける以前、実に15年も前から「ホットシェフ」というブランドで、店内調理を開始している。現在では1040店のうち、およそ半数の店舗に導入済みだ。

 メニュー自体はオーソドックスなものが中心だが、カツ丼500円、親子丼420円、大きなおにぎり(鮭)160円と、価格は値ごろ。都心部の店舗ではビジネスマンや学生などの昼食、夕食ニーズを取り込み、賑わっている。加えて、「道内の離島や人口3000人の村などでも、食堂やスーパー代わりに使う人が多く、支持を得ている」(セイコーマート)という。

料理が冷えないよう、でき上がった弁当は専用ウォーマーの中に陳列。コンビニの主要客層は30〜40代男性だが、セイコーマートでは女性客や50代以上も店内調理の弁当を購入していく(画像クリックで拡大)

 ユニークなのは、セイコーマートのなかでも一部店舗で導入している「やきとり弁当」。店内で調理した焼きとりを、弁当形式で販売している。もとは北海道・函館の中小コンビニチェーン「ハセガワストア」(14店舗展開)の名物メニューだったが、セイコーマートがハセガワストアと業務提携したことで、セイコーマートの店内でも「やきとり弁当」を販売。現在、セイコーマートで「やきとり弁当」を提供するのは12店にまで増えている。排煙処理などの問題があるため、導入できる店舗は限られているが、それでも「やきとり弁当」を扱う店舗では、焼きとり目当てで訪れる客も多いという。

店内調理の弁当を販売するコーナーとは別に、焼きとり販売用のカウンターを用意。注文が入ってから焼き始めるケースもある。串が3本入った「やきとり弁当(並)」が500円、串4本の「やきとり弁当(大)」が600円。串だけでもさまざまなメニューを用意し、「豚串ねぎ間」なら3本で285円、5本で475円。いずれも、塩とタレを選べる(画像クリックで拡大)