手塚治虫の仕事机や父親としての顔も見られる

『円熟』のコーナー(画像クリックで拡大)

 『円熟』コーナーの最初には、前述した初公開の手塚治虫の机が展示されている。  意外にも質素なスチール机だが、この上でどれだけの波瀾万丈ストーリーとたくさんのキャラが描かれたのかと考えると不思議な気持ちになってくる。猛烈な勢いで漫画を描き続けた印象の強い手塚だが、お正月に、父親として幸せそうな笑顔をみせる8ミリフィルムの映像も見られる。

 このゾーンでは、1967年に創刊した『COM』や、1968年設立の手塚プロダクション以降のマンガ連載が中心だ。性や成長を描いて少年少女をドキドキさせた『アポロの歌』や『ふしぎなメルモ』、青年誌の創刊によって社会的なテーマや劇画風の作品も増えていった。そして医学マンガの最高峰『ブラック・ジャック』や古代文明や歴史オカルトをテーマとした伝奇SF『三つ目がとおる』などの連載で、円熟と激動の第二の黄金期を迎える。

手塚治虫の仕事机と愛用品(画像クリックで拡大)

家族写真(画像クリックで拡大)

『COM』時代に描かれた『アポロの歌』(画像クリックで拡大)

 『ブラック・ジャック』のテーマ展示では、手塚の「医師免許証」や医学生時代の美しいノート(宝塚市立手塚治虫記念館で展示されているが、初公開のものも含まれる)、そして、『日だまりの樹』に登場する手塚の曾祖父で蘭方医の手塚良庵の肖像なども見られる。

 さらに、1970年大阪で開催された大阪万博、EXPO’70の、フジパン・ロボット館の目玉展示だったロボットたちのデザインや、多数のキャラクターデザイン、絵本制作など、手塚の仕事の幅広さを知ることができるゾーンでもある。

『ブラック・ジャック』の展示コーナー(画像クリックで拡大)

『ブラック・ジャック』(画像クリックで拡大)

医師免許証(画像クリックで拡大)

医学生時代の手書きのノート(画像クリックで拡大)