2009年4月1日から、環境性能が優れたクルマに対して自動車重量税などを減免する新しい「グリーン税制」が始まった。いわゆる「新グリーン税制」で、ハイブリッド車やクリーンディーゼル車については、重量税や取得税を免除する。通常のガソリンエンジン車でも、燃費改善や環境性能向上の度合いに応じて減税するという、おトクな制度だ。この新グリーン税制について、経緯と内容を解説しよう。なお、文中の税率や金額などはすべて2009年4月1日現在のものだ。

燃費のいいクルマは税金を安く

 グリーン税制のきっかけになったのは、1997年の「第3回気候変動枠組条約締約国会議」で採択された「京都議定書」だ。地球温暖化を防止するため、2012年を目標にCO2などの温室効果ガスを先進国全体で5%以上削減しようというものだ(基準は1990年)。国によって削減率は異なるが、欧州は8%、米国は7%、日本は6%といったように定められた。しかし米国が議定書にサインしなかったのはご存じのとおり。

 それを受けて、日本でグリーン税制がスタートしたのは2001年(平成13年)のこと。基本的には低排出ガス車を税金面で優遇し、同時に排出ガスの多い古いクルマの税金を増やすことで乗り換えを促し、トータルでCO2排出量を軽減するのが狙いだ。ちなみに本来の「グリーン税制」には住宅関連税制なども含まれるのだが、自動車の減税が有名になったために、単にグリーン税制というとこちらを指すことが多いようだ。

新グリーン税制適用車の例、トヨタ「プリウス」。間もなく新型が登場するが、この現行モデルも併売される模様(画像クリックで拡大)

大人気を博しているホンダのハイブリッド車「インサイト」(画像クリックで拡大)

トヨタ「エスティマ ハイブリット」。4WDとハイブリットを組み合わせたシステムが斬新(画像クリックで拡大)

日産自動車「エクストレイル 20GT」。国産乗用車ではクリーンディーゼル1号となった(画像クリックで拡大)

 もう一つ、日本のグリーン税制には内需拡大の意味もある*1。新車に乗り換える人が増えれば、当然経済的な効果が得られる。それもあって、温暖化抑止の効果が高いと考えられる旧式車の廃車に対する補助や、より燃費がいい二輪への乗り換え補助などは盛り込まれていない。だからというわけではないが、2012年までの6%削減は、ずいぶん可能性が低いようだ*2。

 と、難しい話はさておき、利用できる優遇税制は可能なかぎり利用しよう! というのが今回の主旨である。

新グリーン税制の対象自動車と減免額など(画像クリックで拡大)

■表内注
※1 自動車取得税は自動車の取得に対し課税される都道府県税。車両取得時のみに課税される。取得額に対し、ハイブリッドなどを除く一般的な普通乗用車は5%、軽自動車は3%と定められている。また、中古車の場合は経過年数によって税率が変化する(古くなれば安くなる)。また、取得額が50万円以下の場合は課税されない。

※2 ここでの「軽課」は税率を軽減するという意味。具体的には普通乗用車の取得税は購入価格の5%だが、「2.7%軽課」の場合は5-2.7=2.3となり、2.3%を納税すればいい。

※3 自動車重量税は自動車購入時や車検時に収める国税。用途と車重によって定められている。例えば自家用乗用車は0.5tごとに年6,300円なので、1.5tのクルマの2年分の重量税は3万7800円になる。

※4 自動車税は、毎年4月1日付けで自動車を所有している人に対して課税される市町村税。排気量と用途にとって税額は決められている。減税されるのは車両取得の翌年、1年分のみ。また、軽自動車に対する同種の税金として軽自動車税(市町村税)があるが、減税の対象外となっている。

※5 電気自動車は、燃料電池車を含む。

※6 2008年5月1日~2009年9月30日の登録であれば1%軽課、2009年10月1日~2010年3月30日の登録であれば0.5%軽課。

※7 新規車検時(3年分)、購入済みの場合は初回の継続車検時(2年分)。いずれか1回のみ。

※8 平成17年排出ガス基準☆☆☆☆ かつ 平成17年度燃費基準+20%達成車であればおおむね50%軽減、燃費基準+10%達成車であればおおむね25%軽減

※9 控除は自動車取得税の課税標準より控除されるもの。30万円控除の場合、自家用車は1万5000円の減税、営業用・軽自動車では9000円の減税となる。同じく15万円控除の場合、自家用車は7500円、営業車・軽自動車は4500円の減税となる。

※10 電気自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車については、2009年4月1日~2012年3月31日、ディーゼル車とその他の低燃費車については2008年5月1日~2010年3月31日に購入する場合