たい焼き第一号店が東京は麹町に誕生したのが、1909年。つまり今年は、たい焼き生誕100周年の記念すべき年だ。地域、年代を問わず愛されるたい焼きにもニューウェーブが押し寄せつつあるのか、ちまたでは「白いたい焼き」なるものが静かなブームだという。担い手となっているのは、福岡県を拠点とする数社のチェーン。フランチャイズ化をきっかけに一気に全国区に打って出ている。普通のたい焼きとは何が異なるのか? 人気の秘密は? 東京都内に出店を果たした「尾長屋」「白いタイヤキ」「藤家」に取材してみた。

福岡県大牟田市からあっという間に全国区へ

 2007年冬、福岡県大牟田市の市場の片隅に最初の店舗がオープンしたのが、このブームのそもそもの始まりだという。またたく間に行列の絶えない人気店となり、白いたい焼きを売る同様の店が、大牟田市内に同時多発的に誕生する。

 今回取材した3チェーンも、2007年12月頃に大牟田市内で創業した。九州地区を中心に新規出店を重ねていたが、フランチャイズ化してから店舗の増加が急速化。2008年の11月には「尾長屋」が東京都内に初出店した。

 「1号店はまったく宣伝をせずにオープンしましたが、初日には行列ができ、その状態が1カ月は続きましたね」(「尾長屋」本部企画 深草智裕さん)。1〜2時間待ちになることもあったという好調な滑り出しをした尾長屋は、地元でじっくりとノウハウを培った後、2008年9月にフランチャイズ化。現在(※)10都道府県に28店舗を構える。

尾長屋 東三国店(大阪市)(画像クリックで拡大)

 「藤家」は、2008年1月には自社ホームページを整備するなどし、早い段階からフランチャイズ化を進めてきた。少ない元手で起業できるたい焼きのフランチャイズは「この不況。問い合わせが絶えません」(「藤家」取締役 諸藤壮一さん)。順調に加盟店を増やして、現在(※)22都道府県に46店舗を展開している。

藤屋 乙津店(大分市)(画像クリックで拡大)

 同じく創業間もないころからフランチャイズを進めてきた「白いタイヤキ」は、現在(※)14都道府県に35店舗ある。「今年秋には100店」(「白いタイヤキ」関東ブロック長 柏木久範さん)を目標とする。

 最初の店舗がオープンしてから、わずか1年半弱。白いたい焼きはあっという間に全国に広がろうとしている。各チェーンとも口をそろえるのが、客層の幅広さと、クチコミによる人気の広がり。創業当初から、老若男女を問わず反応がよく、一度買った客から客へと評判を広げてきた。加えて「若い女性を中心に、ブログやSNSも人気の高まりに大きな役割を果たしてくれた」(「尾長屋」深草さん)とも。

(※)3月25日現在