野球世界一決定戦「ワールドベースボールクラシック」(以下、WBC)は、原辰徳監督率いる「侍ジャパン」が劇的な連覇を飾り、幕を閉じた。侍たちの戦いぶりは不況など悪いニュースが多い中、日本を元気にしてくれた。また、いずれの試合も高視聴率をマークし、中継したテレビ局にも大きな利益をもたらした。東京ラウンド3試合の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)は33.3%。米国でも2次ラウンド以降の6試合の平均は28.4%。東京ラウンドを担当したテレビ朝日に至っては、週平均視聴率が開局以来初の1位となり、社員食堂が無料開放されたという。“テレビ離れ”が叫ばれる昨今において、WBCは最強のキラーコンテンツとなったようだ。

平均視聴率は大幅アップ

 もちろん、ある程度の高視聴率は予測されていた。3年前の第1回大会も1次ラウンドの平均は18.9%、2次ラウンド以降も25.1%という好成績を残していたからだ。決勝戦では、43.4%をマーク。この数字は2006年の年間視聴率の総合3位。しかも午前10時45分に試合が始まったことを考えると、実に驚異的な数字だ。とはいえ、前大会の高視聴率は、偶然が味方した部分も多かった。韓国との三度にわたる死闘、米国戦の「世紀の誤審」、失点率による奇跡の決勝ラウンド進出…といったドラマチックな要素が満載だった。全8試合のうち4試合が祝祭日という日程も追い風となった。

 それだけに今回の放送権を得たテレビ局にとっては一抹の不安があったに違いない。しかし、侍ジャパンはその期待に十二分に応えた。最高視聴率こそ40.1%と前回には及ばなかったが、平均は東京ラウンドで約15%のプラス、2次ラウンド以降も約3%プラスと大きく上回っている。大会の知名度が上がった、ちょうど試合が昼休みにはまった、といった要素はあったが、一番の要因はおそらく視聴者層に変化があったからではないだろうか。