――Gmail上で自分の資料を保存するときに、後で検索しやすいように何かキーワードを入れたりしていますか?

野口: そういう手間が必要ないことが重要なのです。検索というのは、あらかじめキーワードを工夫したり、何かをする必要はない。それをやるなら、紙にラベルを貼るのとあまり変わりない。本文に出やすいような特定のキーワードを入れたり、あるいはラベルを貼ったりするのは必要ありません。むしろ、そういうものなしで検索するように工夫したほうがよい。

 検索しやすいように内容を変えるというのは、私は間違った方法だと思います。それは紙の発想から抜け切れていない証拠です。何も特定のキーワードがついていないもの、あるいはラベルを貼っていないものを、いかに検索するかという技術を磨いたほうがよい。

 Gmailはラベル機能があります。1つのメールに複数のラベルが貼れるなど、非常に便利な機能ですが、私自身はそんなに使っていません。

 ただ最初は、自分宛に送っていた原稿などのメールについては、すぐに検索できるよう、検索用のキーを入力していたんです。メールの文章にはめったに出てこない「あああああ」と5つ並べたキーワードを入れていました。ただ、Gmailの下書きに自分の原稿を保存するようになってから、それもあまり必要なくなりました。

 やはり一番強力な検索キーは、送受信している相手の人名ですね。自分のパソコンに置いてあるより、Gmailのほうが便利という理由は、それです。メールの場合、相手の人名が入っていますから、それで自動的に仕事の振り分けができます。自分のパソコンに置く場合には、自分でフォルダを作らなければいけない。その必要がない。

 仕事の内容を検索するときにも、メールの宛名などの人名で検索するのは非常に強力です。同姓同名の人は、意外と少ないですよ。

――パッと考えついたアイデアなども、ノートパソコンを使ってGmail上に保存しているのですか?

野口: 私は、メモをパソコンで取るのは、あまり有効ではないと思います。電子的な道具は、メモをとるにはスピードが遅すぎるのです。

 だから、やはり紙ベース。例えば散歩のときにメモを取るとき、PDAなどを使ったら、とても書けないと思います。その間にアイデアが逃げてしまいます。だから私は、固い紙をいつもポケットに持ち歩いています。紙が一番強力です。そして紙に書いたあとは、それを忘れないうちにできるだけ早くパソコンに入力します。

 キーボード付き電子メモ帳の「pomera」も使っています。かなり使ってはいますが、電車に乗っているときに使うことが多いですね。歩きながらポメラは使えませんから。ただ、メモ帳としてどれだけ有効かは、まだよくわかりません。pomeraの欠点は、インターネットに接続できないことです。あれでインターネットに接続できれば、Gmailなどに送信できて完璧なのに......。

 ネットブックも、意識しないで持ち歩くためには重すぎます。やっぱりパソコンを持つときには決心が要りますよね。ポケットに入らないし。一方で、NECが以前作っていた「MobileGear」(※)は乾電池で動き、ワープロ以外の余計な機能がない。そういう点で、大変便利な機械でした。

 ついでですが、Windows OSは余計な機能ばかりついているので使いにくい。ブラウザ機能、それに加えてExcelがあればいい。ほかは全部余計です。余計なものがあるために非常に使いにくくなっている。Windows Vistaなんて、使うごとにアラートがいちいちポップアップするので、あれを消すのが大変です。

 しかもパソコンの良くないところは、画面がカラーということです。そのために消費電力が大きくなり、充電バッテリーを積まなければならなくなる。pomeraもMobileGearも画面はモノクロですが、それで十分。

 だから「MobileGear」にインターネットアクセス機能がある、こんな形の機械が、私にとっては一番望ましい。

※記者注:キーボード付きPDA、すでに販売終了