本記事は発売中の日経トレンディ4月号「即効&効率化 デジタルツール術」に掲載したインタビューの拡大版です。雑誌ではこういった“達人”のインタビューに加えて、仕事に役立つ無料オンラインツールやICレコーダー、電子文具などの選び方と使い方を幅広く紹介しています。ぜひご覧下さい。

 書類を内容で分類することなく、使った順番に本棚の左端から並べることで整理する方法「押出しファイリング」。これを提唱したベストセラー『「超」整理法』(中央公論社)の著者が、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の野口悠紀雄氏だ。その野口氏は最近、Gmailを使った整理法を新たに始めている(以下のインタビュー内容は2月時点のもの。聞き手は荒井優=日経トレンディ)。

――ご自身が提唱する「押出しファイリング」に加えて、新しい整理法としてGmailを使うようになったのは、いつ頃からでしょうか。

野口悠紀雄氏(以下、野口): Gmailを使い始めたのは2007年はじめごろからです。以前からもGmailの存在は知っていましたが、自分の心の中に「グーグル・フォビア(恐怖症)」があって使っていませんでした。だが、デジタル情報の整理や収集で、Gmailが大きな威力を発揮するということに気づいて、使い始めました。今では過去の雑誌原稿はすべて、Gmail上に保存しています。

 以前、インタビューで話をしていたとき、過去に書いた原稿が参考資料として使えるなと思った。けれども、その原稿は自宅のパソコン内に保存されている。だからこの場では使えない、残念だと思いました。

 そのとき、原稿は全部Gmailのログにあることを思い出したので、検索したらすぐに呼び出せた。そのとき、Gmailが「オンラインの情報格納庫」になっているということがわかったわけです。

 しかも、自分のパソコンに原稿を保存するより、Gmailのほうが使いやすい面もある。例えば、原稿だけではなく誌面ゲラの校正も、PDF化されたページデータをやりとりしています。PDFはほぼ完成した原稿ですので、掲載される雑誌の号数まできちんと書いてあります。自分の原稿では、なかなか「第*号」とまでは書いていない。だから、メールのログのほうが自分のパソコンより使いやすいことがわかった。

 原稿だけではなく、仕事に関するさまざまな約束なども、すべてメールにあります。仕事については、だいたいは仕事相手の人名でGmailを検索すれば、いつまでに何字の原稿を引き受けたとか、そのたぐいのことは検索ですぐ呼び出せます。Gmailの場合、7GB以上の保存容量がありますが、それが無料で使えて、しかも非常に高速な検索をかけられるのが良いのです。