「週刊少年ジャンプ」(以下「ジャンプ」)で連載中の『バクマン。』が好調だ。1月6日発売の単行本第1巻は、ORICON STYLE(オリコンスタイル)のコミック部門1月19日付週間ランキングで初登場4位。その1週間後に記録された推定累積売上部数は19万部を超えた。大ヒット作『DEATH NOTE』のコンビが再び「ジャンプ」に登場しているからだけでなく、発行部数第1位(※注1)のマンガ誌「ジャンプ」の舞台裏を描いている点が注目されている。

少年マンガの王道にして現実主義

『バクマン。』第1巻(原作:大場つぐみ/漫画:小畑健/集英社/420円)(画像クリックで拡大)

 異色のダークファンタジーだった『DEATH NOTE』から一転──大場つぐみ氏の「原作」、小畑健氏の「漫画」による新作は、真城最高(ましろもりたか、サイコー)と高木秋人(たかぎあきと、シュージン)の中学3年生コンビがマンガ家を目指す「青春漫画執筆活劇」(単行本帯より)。友情・努力・勝利をベースにした物語にプラトニックな恋愛が絡み、少年マンガの王道的な展開を盛り上げている。

 一方で同作はリアリティの高さに特長がある。『ONE PIECE』を筆頭にファンタジー系の人気作がそろう「ジャンプ」誌上で、その現実主義は異質だ。マンガ家で成功することの難しさが冷静に分析され、マンガ制作の手順とマンガ家になるためのプロセスが一つひとつ丁寧に描かれる。「面白ければいいんだ」「計算で描くほうがハードルが高い」など、作中の編集者のアドバイスも率直でインパクトがある。

 単行本にはまだ収録されていないが、連載では既にアンケートシステムや原稿料など、「ジャンプ」編集部の内幕が具体的な数字とともに描かれ、主人公たちが連載にいたるまでの道筋が、きわめて明確に示されている。もちろん、同作はあくまでフィクションではあるが、ここまで具体的な数字が挙げられると、読者としては、さすがにまるっきりの嘘とは信じにくい。

(※注1)社団法人日本雑誌協会によると約279万部。第2位は約172万部の『週刊少年マガジン』。続いて『月刊少年マガジン』『週刊ヤングジャンプ』『ヤングマガジン』『コロコロコミック』が90万部代に並ぶ。部数算定期間は2008年7月~9月。