日本発のグローバルデザイン

増田: 一眼レフがデジタル化することで、デザインポリシーには変化がなかったのでしょうか?

嵩山氏: デジタル一眼レフ「Nikon D1」と「Nikon D2」で銀塩の資産を引き継ぎ、「Nikon D3」で本格的なデジタル時代になるに伴ってデザインも変わるのかなと思っていました。しかしカメラとしての機能を突き詰めていくと、撮る機能については銀塩と同じなので、基本的には大きく変わっていないと思います。

小林氏: 液晶を搭載するなど、再生系と背面のデザインは変わりましたが、撮るという行為は銀塩と同じです。いかに良い写真を撮るかを追求していくと、それほど大きく変えることはできないという結論に達しました。

1999年9月に発売した「Nikon D1」(画像クリックで拡大)

2003年11月に発売した「Nikon D2H」(画像クリックで拡大)

嵩山氏(左)と小林氏(画像クリックで拡大)

増田: それでは、これからもデジタル一眼レフのフォルムは変わらないのでしょうか。

嵩山氏: 「カメラの新しいフォルムを追求する」という意味では多くのコンセプトモデルを提案しています。また、これからはデザインを変える要素が多くなると思っています。その一例としてはデジタルカメラのムービー対応が挙げられるでしょう。

 デジタル一眼でもハイビジョンムービー対応が始まっていて、それに伴ってデザインをどう変えるかが課題になっています。スチルの場合はカメラをしっかりホールドして撮りますが、ムービーはパン(カメラの向きを左右に振ること)するなどカメラを動かして撮る場合が多く、持ち方も異なります。両方の撮影スタイルを満たすフォルムをいかにデザインするか、これは難しい課題だと考えています。

ピアノブラック調の表面処理が特徴的なコンセプトモデル(画像クリックで拡大)

そのほか、さまざまなコンセプトモデルを発表している(画像クリックで拡大)

小林氏: ムービーに対応することで、スチルが撮りにくくなってしまっては本末転倒です。スチルを主にして、ムービー機能をプラスアルファで加える。これらを今までと同じボディーサイズの中でどう実現するかを検討しています。

増田: “D一ケタ”シリーズなどのデザインテイストは、日本を起点にしているのでしょうか?

嵩山氏: デザインは国別にローカライズしていません。その意味ではMade in Japanのデザインといえますが、私個人としては、日本でもヨーロッパでも、そしてアフリカの砂漠でも使えるカメラ、つまり日本発のグローバルなデザインだと思っています。