特殊なケースにムーブメントを封じ込めて5000メートル防水を実現
アニセト・ピタ
幼少期より時計に興味を抱き独学で時計師になったアニセト・ピタ氏。時計製作のすべての工程を手作業で行うたて、彼の時計はすべて1点もの。今回は2年前からマネージメントを取り仕切る息子、ダニエル・ピタ氏とともに来日した。
アニセト・ピタ氏が製作する時計は、ミニマムを追求したワンハンズ(1本の針で時と分を表示)から、それ自体が回転する特殊なムーブメント、リューズの突起がないケース構造で5000メーター防水を実現するダイバーズウオッチなど幅が広い。随所に独自の機構を備えておりユニークだ。
Pita Oceana ピタ・オシアナ
ダイバーたちにダイバーズウオッチの不満は何かと尋ねたところ、多くの答えは機密性保持のために取り付けられているゴムパッキンの劣化だった。そこでゴムパッキン不要のダイバーズの開発に取り組み始め、完成させたのがこれ。プロトタイプが出来上がるまで4年。特殊なケースにムーブメントを封じ込めてあり、精密なサイズで構成されたベゼル、裏蓋、ケースはねじ1本使わずに組み立てられており、分解も可能。注目点は右サイドにも左サイドにもリューズの突起がないこと。その特殊なリューズと巻き上げシステムはピタ氏の特許。また時間設定などの際、特殊ケース内に封じ込めたムーブメントを遠隔操作するシステムも特許を取得している