マイクロソフト(MS)にとって昨年は、コンシューマー向けの「Windows」ブランドを再定義した1年だった。それまでパソコン用OSとしての「Windows」、スマートフォンなどのモバイル機器向けの「Windows Mobile」、統合オンラインサービス「Windows Live」がバラバラに存在していた。インターネットが発達してWebサービスが拡充するにつれて、3つの連携の弱さが目立ち始めていた。
そこで、3つをシームレスにつなぐブランドとしてWindowsを位置づけたのだ。コンセプトは「Life Without Walls」(壁のない世界へ)。組織再編も伴う全世界的な取り組みで、日本では昨年の映像・情報・通信の展示会「CEATEC JAPAN 2008」で大々的にアピールした。Windows、Windows Mobile、Windows Liveを国内で統括するキーマンの3人に2008年のまとめと2009年の展望を聞いた。
昨年12月にリニューアルのWindows Live、目玉は「シェアリング」
――メールやメッセンジャーなどの通信サービスに加えて、オンラインストレージやコミュニケーションサービスも利用できるWindows Live。インターネットの発達で昨今、MSにとっての重要度と存在感を増している。昨年12月に大幅リニューアルしたWindows Liveを統括するのはコンシューマー&オンラインマーケティング統括本部オンラインマーケティング本部Windows Live/Mobileグループ ディレクターで工学博士の小野田哲也氏だ。
小野田氏 昨年12月にWindows Liveをメジャーリニューアルした。社内で「WAVE3」と呼んでいるもので、要は3つ目のバージョンということだ。今後も1年から1年半おきに大きなメジャーリニューアルをしていく。
今回のリニューアルの目玉は「シェアリング」。今までは、メールやメッセンジャーといったシンプルな通信サービスが中心だった。これを進化させて、友達と情報を「共有」するいったコミュニケーションをサービスの中心に置いた。設備面では「クラウドコンピューティングアセット」と呼んでいるが、データセンターを大幅に増強している。
無料のオンラインストレージサービス「SkyDrive」の容量も5GBから25GBまで増やした。高解像度な写真やビデオを撮影できる機器が増えている。10MB程度のRAWデータなどは珍しくない。だが、そういったファイルをメールに添付して送るのは不可能だ。そこで巨大な無料ストレージをインターネット上に用意して、データをいったん置いてもらう。利用者はそこにアクセスしてデータを共有する。
通信事業者からはメールサーバーをこれ以上増強するのは厳しいと聞いている。写真よりデータ量の多いビデオのやりとりも今後は増えてくるだろう。そうなるとSkyDriveのような大きなWebストレージが必須になる。単純にバックアップ用として使うのも便利だが、親しい人とのデータシェアの場としても使ってもらいたい。
Windows Liveには「つながりの更新情報」という機能がある。何分前に誰が何をしたかという情報がどんどん更新されていくものだ。ソーシャルネットワークサービスの「足あと」などに近い機能で、これが非常によく利用されている。サービス開始(2008年12月3日)からまだ1カ月ほどしか経っていないが、既にこれまでの3倍ほどのアクセスがある。
Windows Liveへアクセスできる機器には、Windows Mobile端末もある。2009年はこうしたモバイル機器からもWindows Liveへアクセスしやすいように環境を整えていく年になる。機器を限定せずに、気軽に写真や動画をシェアリングできるようにしていきたい。











