通称「乙女ゲーム」と呼ばれるゲームを楽しむ若い女性が増えている。携帯電話で楽しめる「女性向け恋愛シミュレーション」ゲームだ。利用者の中心はケータイ小説を“卒業”した20代の女性たち。NTTドコモの公式サイトを通じて提供されている「恋愛シュミレーション」ジャンルのゲームの本数は、この1年で2倍以上に膨れ上がった。同社によれば、携帯電話ゲームの中で最近最も勢いがあるジャンルなのだという。

 ゲームはいたってシンプル。主人公の女性キャラクターが、気に入った男性キャラを攻略していく。物語を読みながら選択肢を選んでいくと、それぞれ結果が異なってくる。ゲームをするというよりは小説を読む感覚。自分で作るラブストーリーなのだ。

ボルテージが提供する「恋人はNo1.ホスト」。恋愛シミュレーションというジャンルを生んだ人気ゲームだ

 ブームのきっかけは2006年12月にサービスを始めた「恋人はNo1.ホスト」(月額315円)だ。利用者の拡大を受けて類似のゲームが増加、「恋愛シミュレーション」というジャンルが生まれた。その後も新しいゲームが登場するたびに次々ヒットし、NTTドコモが公式サイトで提供しているゲーム数は、1年間で23タイトルから倍の57タイトルに増えた。ほとんどが有料だが継続してプレーする人が多く、キャラクターグッズの販売や声優のキャラクターボイス(声)の有料販売など、様々な商材展開がなされているという。

 「女性向け恋愛シミュレーションゲーム」は、男性向けの恋愛シミュレーションゲームの「美少女ゲーム」や「ギャルゲー」、さらに、ボーイズ・ラブをテーマにした「BLゲーム」とも区別される。恋愛シミュレーションジャンルは、長らく、男性向けパソコンゲームが主体だった。女性向けでは1994年、コーエーが『アンジェリーク』を発売、その後も少数ながら様々なゲームが発売されていたが爆発的なヒットには至らなかった。そんな、パッケージゲーム時代の“乙女ゲーム”がケータイで遊べる「恋愛シミュレーションゲーム」へと進化したわけだが、なぜいま、急成長しているのだろうか。