年末恒例となった漫才コンテスト『M-1グランプリ』(以下、M-1)。8月30日から始まった1回戦を皮切りに、2回戦、3回戦、準決勝を経て、2008年12月21日に決勝戦が行われ、NON STYLEが優勝した。00年結成のNON STYLEは、初の決勝進出となったが、過去に4度準決勝に勝ち進んでいた実力派コンビ。「第35回上方お笑い大賞最優秀新人賞」(06年)をはじめ、これまでに数々の賞レースで優勝してきた実績もあり、いつM-1決勝戦の舞台に出てきてもおかしくない存在だった。

 決勝戦は、ファーストラウンドと最終決戦という2つのステップで行われる。ファーストラウンドでは、ストレートに決勝進出した8組に敗者復活1組を加えた計9組が順番にネタを披露。審査員の得点が高い順に3位までが最終決戦に残るというシステムだ。最終決戦では、すべてのコンビがネタを披露後、審査員が1番面白いと思ったコンビに投票してグランプリを決定する。

 今大会の視聴率は関東地区で23.7%(番組平均)、関西地区で35.0%と過去最高を記録するなど、今や日本一の笑いの祭典となったM-1。大会全体としては、敗者復活組も含めて9組中6組が初の決勝進出となり、M-1の世代交代を象徴する回となった。では、決勝戦の模様を1組ずつネタ順に振り返ってみよう。

ファーストラウンド前半戦はスローな展開

 昨年に引き続き決勝進出を果たしたダイアンは、「サンタクロース」を知らない西澤に津田が教えるというネタ。決勝進出者の発表記者会見で島田紳助が「トップバッターのコンビは開始30秒以内に観客の心をつかまないと勝ち目がない」といった話をしていたが、開始早々爆発というわけにはいかず、不完全燃焼に。同じネタを披露した準決勝では会場が揺れるほどの笑いを集めていただけに、決勝戦で6位という結果は惜しまれる。

 「闘牛士と牛」〜「後ろから車に衝突された人」と、テンポよく複数のテーマを盛り込んできたのが笑い飯。「ボケが交代する」という自分たちの漫才スタイルを逆手に取ったネタで会場も一気に盛り上がった。前人未踏の7年連続決勝進出と、その実力は誰もが認めるところで、今回も高得点を叩き出して4位。あとから結果を振り返ってみれば、審査員7人中3人が笑い飯に最高得点を与えており、ファーストラウンドでの敗退は非常に惜しかった。

 モンスターエンジンは、「ハリウッド映画で化け物をやっつけたい」という大林の願望を西森がエイリアンに扮(ふん)してかなえてあげるネタ。エイリアンの生々しい描写が会場の笑いを誘うも高得点には結びつかず7位。ここ数年、M-1ではボケの数が多いネタほど高評価に結びつきやすい傾向が見られるが、一つひとつのボケに時間がかかるモンスターエンジンのこのネタは、現在の審査傾向からは不利な内容だったといえそうだ。

 準決勝のウケ具合から前評判が高かったのがナイツ。ボケの塙が最近Yahoo!で調べた豆知識を得意げに披露するという、通称「ヤホー漫才」で宮崎駿を題材にして最終決戦へ3位で通過。同じネタを披露した準決勝のときほど大きな笑いをえられなかったようだが、松本人志が「2本目も見たい」と語ったように、審査員の評価は高かった。