11月7日、埼玉県川越市で、NHKの次期連続テレビ小説『つばさ』がクランクイン。本作の舞台で、観光スポットでもある通称「蔵造りの町並み」に報道陣が集まった。当日は、近くの歩道で撮影が行われた後、主演の多部未華子、父親役の中村梅雀、祖母役の吉行和子らが、作品への意気込みや川越市の印象などを語った。
『つばさ』は2009年3月30日から放送予定の、NHK連続テレビ小説第80作。江戸の風情が残る川越市を舞台に母と娘の絆を描く、おかしくも泣ける物語だ。多部が演じる主人公の玉木つばさは20歳の短大生で、実家の和菓子屋の跡継ぎ。ところがある日、家出をしていたつばさの母(高畑淳子)が、「もう一度主婦をやる。店の跡も継ぐ」と言い、借金を抱えて突然帰宅する。家に居場所をなくしたつばさは、コミュニティ放送(地域限定ラジオ)の開局に巻き込まれ、やがてDJとして地域の人々を結びつける「幸せ配達人」になっていく。
後藤高久チーフプロデューサーは、「テーマは“コミュニティ”。川越に昔から住んでいる人と、川越がベッドタウンになってから住み始めた人の心が、ラジオから聞こえるつばさの声によってつながっていくイメージです。『日本全国をどうする』とか『日本発の何か』というような大きな話ではない」と、作品の持つ穏やかな温かみを説明した。
視聴率低迷の朝ドラ、『つばさ』で一区切り
NHK連続テレビ小説は、今回の舞台を埼玉県にすることで、全国47都道府県すべてを網羅したことになる。1961年から続いている同テレビドラマシリーズは、かつては平均視聴率40%を超すNHKの看板番組であったが、2004年以降には平均20%を超える作品がなく、今年10月まで放映された『瞳』の平均視聴率は過去最低の15.2%、現在放映中の『だんだん』は初回視聴率が16.8%%と、相変わらず低迷が続いている。この現状の中、NHKの福地茂雄会長は、シリーズ第80作となる本作を区切りに、同シリーズの見直しを行うと話す。
約半世紀も続いてきたテレビシリーズの、一つの時代の締め括りとなる『つばさ』。実は、1961年に放映された連続テレビ小説シリーズ1作目の『娘と私』と同じく、母娘関係が話の軸の1本になっているという共通点がある。『娘と私』の時代に描かれた親子関係を思い出しながら、『つばさ』に目を向ける視聴者もいるかもしれない。











