今秋、Xbox 360が一変する。ゲームファンだけに留まらず、より幅広い層に受け入れられるゲーム機を目指すため、ゲーム機としての根幹を成すシステムソフトウエアを一新。11月16日にアップデートという形で、インターネットを通じて全世界に同時配信されるのだ。この“New Xbox Experience”と名づけられた最新のXbox 360用システムソフトウエアでは、各種機能を強化しつつも、親しみやすいビジュアルと、すっきりと整理されたユーザーインターフェースの両立を実現。Xbox 360がまったく違うゲーム機へと生まれ変わる。

 マイクロソフトでXbox 360プロダクトマネージメントのディレクターを務めるAaron Greenberg氏は、この“New Xbox Experience”によって「ゲーマーでも、ゲーマーでなくても、Xbox 360を用いたコンテンツへ簡単にアクセスできるようになった」と語る。

Aaron Greenberg氏
マイクロソフト Xbox 360プロダクト・マネージメント・ディレクター。昨年のTGS 2007に続き、今年もTGS 2008に合わせて来日。“New Xbox Experience”の素晴らしさを各種メディアに伝えた(画像クリックで拡大)

 従来のXbox 360ではハードディスクに保存したゲームやビデオにアクセスするには、ユーザーは画面いっぱいに表示されたメニューを時に切り替え、時にコマンドを一つずつたどることでアクセスする必要があった。これに対して“New Xbox Experience”では、3Dグラフィックを用いるとともに、メニュー構成を簡略化。従来あった各種機能を削減することなく、よりアクセシビリティを高めている。Greenberg氏によれば、今回のインターフェースでは画面いっぱいにメニューを表示するのではなく、画面にはできる限り余白が生まれるように、シンプルな画面を目指した結果だと言う。

 さらに新機能の追加も行われた。今回のアップデートでは、新たにユーザーの分身となる“アバター”の作成機能を付加。従来は規定のアイコンで表示していたユーザー固有のシンボルマークを、3Dキャラクターで表現できるようになったのだ。「自分の身体的な特徴をアバターに反映させることもできます。髪型や色、体型だけでなく、服装といったものまで自由に変更できます。もちろん、現実の自分とは違う体型や顔つきにすることもできます」(Greenberg氏)。

 こうした3Dグラフィックによるアバターは、インターネット回線を利用したXbox 360のオンラインサービス“Xbox Live”を介して、世界中のユーザーに公開される。これまではアイコンと文字によって識別されてきた各ユーザーが、“New Xbox Experience”ではキャラクターの顔つきや体系といった外見だけでも判別できるようになるのだ。また、一時期の海外ゲームに見られるバタ臭さがなく、日本人にも取っ付きやすいグラフィックであることもアバターの特徴だ。「イギリスのデザイナーと協力して、非常にユニークなビジュアルにできました。ゲーマーだけでなく、ライトユーザーの方でも、お気に入りのアバターを作るために多くの時間を費やしてしまうでしょう」とのGreenberg氏の言葉どおり、体の部位を変えることでさまざまな外見に変化するアバターは、キャラクターエディットの面白さに通ずるものがある。

“New Xbox Experience”最大の特徴と言えるのが、シンプルかつ3Dビジュアルで構成されたインターフェース。コントローラの上下で画面左上の大分類を、左右でジャンルを切り替える(画像クリックで拡大)

もうひとつの目玉が、このアバター機能。プレーヤーの分身であるアバターは、髪型や服装といったパーツの組み合わせで外見を自由自在に変更できる。さらに将来的には、特定のゲームをプレーしないと手に入らない洋服なども導入される予定とのことだ(画像クリックで拡大)

 次にボイスチャットといった既存の機能にも強化が図られた。従来はゲーム中以外のシチュエーションでは1対1が常だったボイスチャットは、複数人と同時に行えるようになった。“New Xbox Experience”では“ライブパーティー”という概念が存在し、オンラインにある友達を“ライブパーティー”に誘うことで、チャットだけでなく、写真などのコンテンツを共有することもできるのだ。「これによってゲームの環境を超えて、さまざまなコンテンツやエクスペリエンスを共有できる可能性が生まれたのです。ソーシャルネットワーキングの機能がテレビで利用できると考えてください」(Greenberg氏)

 では、こうした大改革によってXbox 360が目指すのは何か。「視覚的にも幅広い層にアピールすることで、Xbox 360はライトユーザーにも受け入れてもらいやすいゲーム機になるでしょう。また“New Xbox Experience”実施以降は、従来以上に厚いゲームラインアップでこれをサポートしていく予定です。日本ではカプコン、スクウェア・エニックス、バンダイナムコゲームスから素晴らしいゲームが多数登場します。さらに価格帯についても、新世代機の中では世界でベストなものになっていると言えるでしょう。クリスマスシーズンに向けて、従来以上に販売台数を伸ばす切り札になると考えています」(Greenberg氏)

(文/佐久間亮介)

メッセージの送受信といった機能も、“New Xbox Experience”に共通のインターフェース上で利用できる。機能ごとに操作方法が変わるといった事態とは無縁だ(画像クリックで拡大)