10月9日午後1時からSCEブース内のPlayStationHALLを会場にプレスカンファレンスが開かれた。ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのプレジデント、ショーン・レーデン氏らによって大々的に発表されたのは、80GBのHDDを搭載したPS3新モデルと、PS3やPSPにおけるネットワーク関連の新戦略についてだった。

 10月30日発売のPS3新モデルは、80GBのHDDを搭載。クリアブラック、セラミック・ホワイト、サテン・シルバーの3色が用意され、希望小売価格は3万9980円と決定した。期間限定で『グランツーリスモ5プロローグSpecIII』が同梱されるほか、ゲームソフト『リトルビッグプラネット』が同梱された「リトルビッグプラネット ドリームボックス」も希望小売価格4万4980円で同日に発売される。『リトルビッグプラネット』は同時プレイの楽しさを重視している作品だけに、「ドリームボックス」にはワイヤレスコントローラ「DUALSHOCK3」が2個同梱されているところもポイントだろう。

 また、この80GBモデルの登場により、現行の40GBモデルがオープン価格へと改訂される。これにより、PS3の実売価格はさらに下がることは確実で、普及により弾みがつくことは間違いのないところだ。

 続いて説明されたのは、「PlayStation Network」の現状と、PSPから直接利用できるという「PlayStation Store」の新サービス。PlayStation Networkはユーザー数が130万人以上に成長し、ダウンロード数2500万以上、ユニークアクセス数が40万/月以上に達したという。9月24日からはビデオコンテンツの配信も開始され、非常に好調な状態にあるようだ。また、従来はPlayStation StoreからPSP用のコンテンツを入手する場合、PCやPS3を経由させる必要があったが、10月15日からは、ネットに接続したPSPからダイレクトにコンテンツを購入できるようになるという。これはPSPユーザーにとってかなりの朗報となりそうだ。

 なお、PSPから利用できるPlayStation Storeのコンテンツはサービス開始時点で250以上。初代PlayStationのソフトを300円〜600円(税込)という手ごろな価格で入手できるほか、無料コンテンツの『まいにちいっしょ ポータブル』や、10月16日発売の『勇者のくせになまいきだor2』のダウンロード版など、幅広いラインナップが用意される。SCEでは今後発売される自社制作のPSP用ソフトに関しては、UMD版と同時にダウロード版も提供する予定だ。

 続いての発表はPSPのネットワーク機能強化。今まではその場に居合わせるプレイヤー同士でしか遊べなかったアドホックモードの協力/対戦プレイが、PS3を介することで、ネットワーク経由でも可能になるという画期的サービスで、その名も「アドホック・パーティー for PlayStation Portable」。まずはPS3で「アドホック・パーティー for PlayStation Portable」を起動し、ロビーでともにプレイするユーザーを見つけてアドホックプレイへと移行する仕組み。大ヒットを記録した『モンスターハンターポータブル 2nd G』に対応しているほか、今後は『PHANTASY STAR PORTABLE』などの各種タイトルにも対応していく予定という。PS3を介するという意外にも思える方法ではあるものの、『モンスターハンターポータブル 2nd G』のコアなプレーヤーが熱望していた機能がついに実現する。このサービスも大きな話題を呼ぶことは間違いない。

 そしてプレスカンファレンスの最後を飾ったのは、「PlayStation Home」。やはりネットワークに関する話題であった。

 バーチャルな3D空間を用いたコミュニケーションサービスである「PlayStation Home」は、SCEがその存在をオープンにしてからかなりの年月になるが、今夏より限られたユーザーを対象にクローズドβテストが実施され、ようやくユーザーにその具体像が示されることとなった。ステージではPlayStation Home内にリアルに再現されたTGS2008のSCEブースがデモンストレーションされたほか、カプコンの『バイオハザード5』プロデューサー竹内潤氏や、『ストリートファイター?』プロデューサー小野義徳氏、バンダイナムコゲームス『ナムコミュージアム』プロデューサー藤田光成氏、SCE『みんなのGOLFシリーズプロデューサー池尻大作氏といった各社著名タイトルのクリエイターたちが、ビデオ映像で「PlayStation Home」に対する期待のほどを熱く語っていた。

 今まではオンライン対応タイトルを作る場合は、それぞれに独自のロビーシステムやサーバーを用意する必要があったが、池尻氏はPlayStation Homeは“遊びの場”として、各社共通のハブターミナルのような役割を担うことができると指摘。また、藤田氏はユーザー主導の新たな遊びが生み出されていく可能性に言及するなど、PlayStation Homeの正式稼動によって、オンラインを含めたゲーム環境が大きく変わるかもしれないことを期待させるコメントが次々と紹介されていった。

 今後の予定としては、10月下旬からはユーザー数を増やしてクローズドβテストをもう一度行い、2008年内にオープンβへと持って行きたいとのこと。“その日”は意外と近くに迫っているのだ。

 PCソフトではだいぶ浸透してきたオンライン販売という手法が、家庭用ゲーム機でも無視できないレベルにまで育ってきたこと。もう一つは、ハードウエアメーカーとして、ゲームを取り巻くユーザー間のコミュニケーションをいかにサポートしていくべきか、SCEがどれだけ真剣に考えているか? この2点が改めて浮き彫りになったプレスカンファレンスだったように思う。

(文/稲垣宗彦)

80GBのHDDを内蔵したPS3の新モデル「CECHL00」シリーズを紹介する、SCEJのプレジデント、ショーン・レーデン氏(画像クリックで拡大)

同社ネットワークビジネス&サービス部部長の正田純二氏は、PSPからダイレクトに利用できるようになった「PlayStation Store」の新サービスについて解説(画像クリックで拡大)

同社ネットワークビジネス&サービス部Home Japan Project推進課シニアプロデューサー赤川良二氏によって語られる「PlayStation Home」。画面内には3Dでそっくり再現されたSCEブースが見える(画像クリックで拡大)

カプコンの『バイオハザード5』プロデューサー竹内潤氏など、各ゲームメーカーの著名タイトルに携わるクリエーターたちも、ビデオ映像で「PlayStation Home」に対する期待を語った(画像クリックで拡大)