7月15日から3日間、米国・ロサンゼルスのコンベンションセンターで米国最大のゲーム展示会「E3 2008」が開催された。「E3」は昨年から来場者をビジネス関係者とメディアのみに限定し規模は縮小。しかし、マイクロソフト、任天堂、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCE)の3大ハードメーカーが「E3」に合わせて発表会を開催、依然として日本市場にも多大な影響を与える展示会だ。
発表会のトップバッターはXbox 360を手がけるマイクロソフト。最大の話題はXbox 360用『ファイナルファンタジーXIII(以下、FF XIII)』の発売だ。PS3専用として発表されていたタイトルだが、両ハード対応に変更となった。ただしXbox 360用は欧米のみの発売で、日本での予定がない。
続いてニンテンドーDSとWiiを発売する任天堂が発表会を開催。Wiiに関する周辺機器が相次ぎ発表された。1つは「Wii Speak」。これはテレビの上にセットするマイク。Wii用『どうぶつの森』に対応し、ネット経由で複数のユーザーと会話ができる。2つ目は『Wii Sports Resort』に同梱される「Wii MotionPlus」。Wiiリモコンの下部に接続すると、手首をひねるなどの細かい動きも読み取れるようになる。
最後に発表会を開催したのはPS3、PS2、PSPを発売するSCE。PS3用の一人称視点シューティングゲーム『RESISTANCE2』のデモプレーを長時間披露した。その後もPS3用を中心に多くの新作が発表になり、会場は盛り上がった。しかし、米国ではヒットしても、嗜好(しこう)性の違いから日本では受け入れられにくいタイトルが多い印象だった。
鍵を握るのは「FF XIII」
3社の発表内容が日本市場に与える影響を考察してみよう。まず任天堂の発表会を通して見えたのは、ハイビジョン表示には対応していないWiiをまだ長期間売っていこうという姿勢。発表になったタイトルはいずれも国内でも100万本が狙える内容。Wii人気は当分安泰だろう。
マイクロソフトのXbox 360とSCEのPS3はともにハイビジョン映像をセールスポイントにするが、国内では両機種とも普及が伸び悩んでいる。その理由は、ハイビジョン対応ゲームが海外開発の銃で敵を倒す内容ばかりで、国内ユーザーが好むRPGがほとんどなく、DSの実用ソフトやPSPの『モンスターハンター』といった携帯ゲーム機に人気が集まっていることが挙げられる。国内でハイビジョン対応タイトルとして最も売れているPS3専用の『メタルギア ソリッド 4』も70万本程度にとどまっている。
こうした市場の状況を考えると、本来は国内ユーザーが好むRPGの『FF XIII』こそ、PS3、Xbox 360の両機種に対応させて、ハードの普及の起爆剤としたいところだ。100万本を超えるハイビジョン対応タイトルが何本も生まれる市場にならないと国内ゲーム業界の未来は明るくない。
今回の「E3」では国内ユーザーの嗜好に合うハイビジョン対応の新作タイトルの発表は1本もなかった。世界のゲームトレンドと、国内ユーザーが好むタイトルとの乖離(かいり)は進む一方といえそうだ。
(文/日経エンタテインメント!編集部)
※この記事は日経エンタテインメント!(9月号)より転載しました。











